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人形町のゆかた博物館、増床リニューアル 型染め木綿の魅力伝える史料展示

三代目半七の天野豊さんと四代目半七を継承した天野美香子さん

三代目半七の天野豊さんと四代目半七を継承した天野美香子さん

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 ゆかた製造卸の「三勝」(日本橋人形町3)に併設する「三勝ゆかた博物館」が3月19日、増床リニューアルした。

人形町「ゆかた博物館」がリニューアル 和装の魅力伝える歴史的資料を展示

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 1894(明治27)年創業の同社。「三勝ゆかた博物館」は中央区内29カ所にある「まちかど博物館」の一つとして2012(平成24)年にオープンした。今回は1階ショールームに加え、地下スペースを専用展示室として増床した。

 施設内では、ゆかたデザインの移り変わりを伝える伊勢型紙約1万点をはじめ、専属職人で人間国宝の清水幸太郎さんとその息子の敬三郎さんが手がけた作品を中心に、反物、台帳などの歴史的資料を展示。江戸後期に庶民の普段着として誕生し、明治、大正、昭和、平成、令和と時代に合わせて変遷を重ねてきた「ゆかた」文化の歴史を紹介する。

 このほか、江戸時代から伝わる染色技法「長板中形(ながいたちゅうがた)」や、ジャパンブルーとして知られる「藍染(あいぞめ)」、大正時代に流行した「注染(ちゅうせん)」など伝統柄のゆかた反物、おととしニューヨークで開催したファッションイベント「Fashon Week Brooklyn」に初出展した「注染羽織(ちゅうせんはおり)」や「ラウンジウェア」なども並ぶ。

 「三勝」社長で2019(平成31)年に四代目「天野半七」を継承した天野美香子さんは「ゆかた市場そのものが縮小している現在、仕事が減り廃業してしまう染工場も多く、長い間培ってきた伝統技術の継承も難しい。このままではゆかた文化そのものが廃れてしまう」と話す。

 「ゆかたなど型染め木綿(ゆかた地)を楽しむ機会を増やすことが、職人の皆さんに仕事の機会を作り、ゆかたづくりの伝統技術を守ることにつながる」と天野さん。「今回は創業130周年を記念して博物館を大きくリニューアルした。より多くの方に気軽にお越しいただき、ゆかたの魅力にふれてほしい」と来場を呼びかける。

 開館時間は14時~16時。1階:入館無料、地階:2,000円(現金のみ。ガイドによる解説と博物館限定手拭い付、1時間の入替制、要予約)水曜、土曜、日曜・祝日休館。

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