
郷土資料館「日本橋歴史アーカイブス」の「展示ガイド付き見学会」が3月1日、中央区立常盤小学校別館ギャラリー(中央区日本橋本石町4)で開催される。
常盤小学校別館ギャラリーで展示ガイド付き見学会 日本橋の歴史と魅力学ぶ
「日本橋歴史アーカイブス」は常盤学校校友会が、同校卒業生や地元企業などの協力を得て2019年にオープンした歴史学習施設。動画や資料、ジオラマの展示などで江戸から続く日本橋の歴史を視覚的に学習できるよう、週末に一般公開している(臨時休館あり)。常盤小学校に通う児童たちをはじめ、ほかの地域の子どもや大人にも日本橋の歴史を広く知ってもらうことを目的としている。
江戸時代の歴史研究の専門家である江戸東京博物館の竹内誠名誉館長(故人)による監修の下、地域の発展の歴史を蓄積した同施設は本格的な展示で、子どもから大人まで楽しめる内容となっている。
同施設プロデューサーで「Nsutudio」社長の新野圭二郎さんによると、日本橋は江戸の発展の基となった歴史ある土地であり、とりわけ常盤小学校が立地する常盤橋周辺は江戸城と下町をつなぐ接点として現代に続く日本橋の成り立ちに大きく寄与した地域という。
常盤小学校は、明治政府が「学制」を発布した1873(明治6)年の前年に、日本橋の旦那衆が子弟教育の場として設立した「幼童学所」が前身。古くから初等教育に熱心であり、日本橋の街づくりにかかわる多くの卒業生を輩出してきた。
同施設でガイドを務める新野さんは「郷土の歴史を常盤小学校に通う児童に学習してもらうことで、郷土に対する理解や愛着を深めてもらいたい。郷土史や江戸、日本の歴史を知ることで、将来世界に出ても日本人としての誇りと自信を持てる人になってほしい」と話す。
事前開催されたボランティアガイドの勉強会に参加した日本女子大学学生の吉田菜乃さんは、日本橋のまちづくりの活動に携わっていることで、勉強会に誘われたという。参加者の一人で元教諭の小野寺留奈子さんは、地元の人たちを中心にアーカイブスが設立されたことについて、「日本橋の皆さんの地域愛やつながりの深さを強く感じた。そのような強いつながりがなければ、アーカイブスのような施設をつくろうという発想はおきない」と話す。「自分自身の教諭としての経験から、他地域との比較で日本橋の『特別さ』を強く感じた」とも。
「展示ガイド付き見学会」は4月以降、毎月1回最終土曜に開催する予定。開催時間は14時~16時。事前予約はメールで受け付けている。