
日本橋大伝馬町で7月28日、「新・耕書堂跡案内板」除幕式が行われた。
同案内板は、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の主人公蔦屋重三郎が吉原から旧「日本橋通油町(とおりあぶらちょう)」(=現大伝馬町1)に進出した「耕書堂」の跡地を示す物として中央区が設置した。大きさは、高さ180センチ、横幅136センチ、奥行き8センチ。江戸時代の町屋をイメージした木目調のデザインで、案内板の下半分は木製の格子になっている。
案内板の柱には「蔦屋重三郎 躍動の地」とあり、盤面には中央区教育委員会の監修による「江戸のメディア王『蔦重』」の生い立ちや版元としての活躍の様子を詳しく記した解説文を記載。左上には北斎が「耕書堂」を描いた「画本東都遊 絵草子店」、写楽が描いた役者絵「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」、歌麿の美人画「歌撰恋部 深く忍恋(かせんこいのぶ ふかくしのぶこい)」、山東京伝作の黄表紙「江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)」の画像データと解説がダウンロードできる二次元コードが書かれている。
山本泰人中央区長は「従来の鉄製の物に比べて、江戸情緒あふれる日本橋らしい案内板になった。来年は中央区80周年。街の歴史を後世に伝えるアーカイブにも力を入れていきたい」と話す。除幕式では、各町会の代表者が案内板にかけられた幕を一斉に引き、完成を祝った。
除幕式後は、「蔦重通油町ギャラリー」が入るボンマックスビルで「直会(なおらい)」が行われ、各町内関係者が交流を図った。会場では、「べらぼう」のテーマをジャズ風にアレンジした曲のコンサートが行われた。