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山本海苔店が「新本店」開設 イートイン「手巻き YAMAMOTO」併設

「凧の博物館」1階に移転開業した「山本海苔店新本店」

「凧の博物館」1階に移転開業した「山本海苔店新本店」

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 今年創業176年を迎える「山本海苔店」(中央区日本橋室町1)が11月4日、再開発に伴い本店店舗を閉鎖し、新本店を旧店舗近くにオープンした。約60年間営業してきた旧本店は11月2日に閉店した。

約60年間営業してきた旧本店は11月2日に閉店

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 同社は1849年、初代山本德治郎が、江戸・日本橋室町一丁目でのりの販売を始め、二代目德治郎が1858年にのりを8種類に分類して販売するマーケティング戦略を導入し、顧客に受け入れられたことで「のりは山本」のブランドイメージを得た。その後、1869年に「味附海苔」を開発し、のりの調味加工という新たな価値を生み出した。

 11月2日に閉店した旧本店は1965(昭和40)年に完成。正倉院の校倉(あぜくら)造りを模した外観で、店奥の壁面タイルは信楽焼でのりの細胞をデザイン。天井はのり採取船の底、壁の上には帆掛け船の帆を模した装飾が施されていた。室町一丁目で長年店舗を構えてきたが、周辺再開発を受けて一区画を移転。 新店舗は旧店から徒歩約2分の位置に設置した。

 新店舗では、イートイン「手巻きYAMAMOTO」を併設し、炭火で焼いたのりに具材を包む手巻きメニュー「TOKYO TEMAK」を提供。カウンターのみの10席で、焼きのりは注文を受けてから焼き上げる。具材は「おにぎりぼんご」二代目女将の右近由美子さんと日本料理「日本橋ゆかり」店主の野永喜三夫さんが監修する。

 「手巻き YAMAMOTO」(1,980円)は、べったら漬け、しゃけ、炊きあさり、ピーナツみそ、辛子めんたいこ、卵黄しょうゆ漬けなど右近さんが選んだ具材を盛り込む。野永さん監修の「日本橋1000年手巻き」(3,630円)は、江戸ねぎみそ(日本橋ゆかり)、昆布の佃煮にんべんあえ(にんべん+貝新)、牛そぼろのさくら煮・実さんしょう入り(伊勢重)、金ごま (日本橋 八木長本店)など、営業年数を合わせると1000年を超える日本橋の老舗から取り寄せた具材12品を盛り込む。併設のイートインコーナーは、日本橋でエンターテインメントカフェ「アゴラカフェ」(室町2)や「日本橋案内所」(室町1)の経営を手がける「スパート」(日本橋室町)が運営する。

   山本貴大社長は「のり業界はこれまで、中元歳暮などのギフト市場に支えられてきたが、近年その業界構造が成り立たなくなってきた。創業以来、量ではなく質に重きを置き、『本当においしいのりの魅力』をより多くの方に楽しんでいただくことで、生産者の皆さんともに次の時代ののり作りを支えていこうと活動してきた」と話す。

 「今回の『手巻き YAMAMOTO』では、看板商品『梅の花』を焼きたての状態で食べていただき、改めてのり本来のおいしさを知っていただくことを目指している。今後ものりの魅力を発信していきたい」と意欲を見せる。

 営業時間は10時~20時。「手巻き YAMAMOTO」販売は11時から行う。

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