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ゆかたの老舗「三勝」が企画展 ゆかた意匠を現代の暮らしに再構成

三勝が手がけてきたゆかた意匠の縁起柄「鯛中鯛(たいちゅうたい)」をモチーフに漆器店「山田平安堂」(渋谷区)とのコラボレーションにより製作した器とのれん

三勝が手がけてきたゆかた意匠の縁起柄「鯛中鯛(たいちゅうたい)」をモチーフに漆器店「山田平安堂」(渋谷区)とのコラボレーションにより製作した器とのれん

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 企画展「三勝謹製 新しい和のかたち展―ゆかた意匠をアートとライフスタイルへ再解釈―」が12月15日、ゆかた問屋「三勝(さんかつ)」(中央区日本橋人形町3)の本社ビル前にある「百年ギャラリー」1階~3階で始まった。

ゆかた意匠を現代の暮らしに再構成

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 三勝は1894(明治27)年創業の老舗。伊勢型紙や注染(読みがな)、長板中形などの伝統技法を受け継ぎながら、時代に応じたデザインを生み出し、江戸の夏を彩ってきたゆかた文化を支えてきた。同展では、ゆかたのデザインを「着るもの」にとどめず、アートや生活空間へと広げる試みを紹介する。

 展示は、「室礼(しつらい)」「布衣(ふい)」「日々の万もの(ひびのよろずもの)」の3テーマで構成する。三勝ゆかた博物館別館「百年ギャラリー」の各フロアを、ダイニング、リビング、ベッドルームに見立て、伝統的な型紙文様を再編集した作品を空間演出とともに紹介する。

 見どころは、漆器店「山田平安堂」(渋谷区)とのコラボレーションによる漆器。三勝が手がけてきたゆかた意匠の縁起柄「鯛中鯛(たいちゅうたい)」「斧琴菊(よきこときく)」などをモチーフにした漆の器は、和の文様を日常使いのプロダクトに取り入れた象徴的な作品を展示する。

 三勝では現在、「ゆかた文化をアートへ」をテーマに、日本の美意識を現代の生活へ届ける取り組みを行っている。伝統を守りながら新たな表現へと挑戦する同展は、次の100年へ向けた同社の姿勢を示す場と位置付ける。

 四代目「半七」を継承した社長の天野美香子さんは「ゆかた発祥地の日本橋から、伝統文様を現代の暮らしに生かす新たな提案を行う。初代から守り続けてきた三勝独自の浴衣の意匠を、木綿にこだわらない素材や職人の手仕事によって、新たなかたちとして後世に残していきたい」と話す。

 会期は、前期=2025年12月15日~25日、後期=2026年1月15日~30日。1月15~18日はゆかたの展示販売会を行う。

 開催時間は14時~17時。土曜。日曜・祝日休館。入場無料。

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