榮太樓總本鋪(中央区日本橋1)が3月31日、日本橋一丁目1・2番地区再開発に伴うビル建て替えにより日本橋本店を一時閉店した。
1818(文政元)年創業の同社。同社史によると埼玉県飯能で菓子商をしていた細田徳兵衛が2人の孫を連れて江戸に出府した際、現在まで続く和菓子業の礎となる「井筒屋」を九段坂に出店。1857(安政4)年、旧日本橋西河岸町(現栄太楼ビル)に独立店舗を構え、自らの幼名・栄太郎にちなんで屋号を「榮太樓」に改めたという。
これまで169年間営業を続けてきた日本橋本店は同日18時15分に営業を終えた。移転先は東に15メートル離れた日本橋南詰交差点南西角で、4月15日から同所に仮店舗を設け営業を再開する。スペースの関係で物販のみとし、喫茶営業は行わない。新ビルは2032年完成を予定する。
この日は、常連客など60人以上が来店。古くからなじみの店舗で最後の買い物を楽しんだ。店内では看板商品の「金鍔(きんつば)」「梅ぼ志飴」を手に取る人で行列ができた。
閉店セレモニーでは細田将己社長が来店客に向け、「本店閉店に際し皆さまからお別れメッセージを募集したところ、たくさんの応募があり店内掲示させていただいた。一つひとつ読んでいくと、改めて榮太樓に対するお客さまの思いの深さを感じた」と話した。
祖父母の代から榮太樓に通っているという親子は「日本橋で買い物した後は必ず榮太樓の喫茶コーナーで休憩してきた」と振り返る。
細田さんは「日本橋に貢献することが榮太樓の使命。新しいビルでは江戸文化を伝える企画を展開し、日本橋の魅力発信に寄与していきたい。仮店舗はここから歩いて29歩の近さ。引き続きご愛顧いただけたら」と来店を呼びかける。