日本橋川に架かる「日本橋」の橋詰めに「日本橋船着場」が完成し、4月3日に完成式典が行われた。
区全体の面積に対して水域の比率が18.3%を占めることに着目した中央区が、「水辺再生研究会」を中心とした協議を通じて水辺空間の整備とその活用を検討し、同船着き場の設置を決めた。台東区、江東区、墨田区などとも連携し、昨年6月に「隅田川流域舟運観光連絡会」を設立。東京を巡る「水の道」をよみがえらせ、かつて舟運都市として栄えた江戸の姿を現代によみがえらせることを目指す。
同船着き場は、全長20メートル、幅6メートルの浮桟橋型。船着き場を固定する柱上部は、木製だったころの「日本橋」の欄干を参考にデザインしたほか、隣接する「滝の広場」の石造りの欄干に鋳物の門扉を設置。同門扉は日本橋にある4つのロータリークラブがデザインし、区に寄贈した。
「環境学習や清掃活動などに使用してきた『常盤橋船着場』とは違うかたちの新たな船着き場で、日本橋エリアを盛り上げていきたい」と中央区土木部公園緑地課の石田課長。「環境に優しく、渋滞もない舟運は観光資源として多様な可能性を秘めている。『日本橋船着場』がイベントや観光に利用されることで、街に訪れる人が増えれば」と期待を寄せる。