東京・日本橋で7月31日、「名橋『日本橋』橋洗い」が開催された。主催は名橋「日本橋」保存会。
重要文化財である「日本橋」は今年4月、現在の石造りになって100周年を迎えた。美化保存のため、地元有志が一斉に橋を洗う年1回の同イベントは、1968(昭和43)年から続く夏の風物詩となっている。
当日、周辺の道路は車両を通行止め。開会式の後、恒例のEM団子4000個の投入に続き、来年1月に公開予定の日本橋を舞台にした映画「麒麟の翼」の出演者・松坂桃李さん、菅田将暉さんらにより各地の名水を「道路元標」に注ぐ「名水水合わせ」が行われた。その後、散水車4台による放水をきっかけに、タワシやデッキブラシなどを使って一斉に清掃開始。日本橋地区の20の町会、約100社の企業など、大人から子どもまで地元に関わる1600人以上が参加した。
午後には、歌舞伎俳優の市川團十郎さん、坂田藤十郎さんらも参加して、今春完成した日本橋船着場に設置した「双十郎河岸」記念碑の完成式典が行われた。
日本橋は昨年、架橋100周年を前に大規模な補修工事を実施。昨年11月には、ドイツの清掃機器メーカー「ケルヒャー」が同社の高圧洗浄機で橋全体を洗浄した。「今年はすっかりきれいによみがえった日本橋を磨くことになった。大勢がゴシゴシと磨き上げて、逆に傷を付けないようにしなくては」と同保存会事務局長の永森昭紀さん。
補修や洗浄を行う際には、「歴史的な足跡」を残すことを心掛けた。「東京大空襲の焼夷(しょうい)弾による傷や焼けた跡などは次世代にも語り継いでいきたい。子どもたちや地元の方々と一緒に橋を洗いながら、橋の歴史を振り返り、これから先100年、200年と、この活動が続いていけば」とも。