東京駅丸の内駅舎は来年、保存・復元工事を完了し、順次舎内施設を開業する。
国の重要文化財である同駅舎は2007年5月以来、創建当時の姿に復元するための工事を遂行中。完成後は快適性を併せ持つ歴史的建造物として、東京を象徴する都市空間の形成を目指す。
駅舎3階と南北ドーム内部は、既存部分を保存・活用しながら、当時の写真・図面を基に復元。屋根瓦の天然スレートは、東日本大震災の津波に耐えた国産スレートを可能な限り使用する。外観は来年3月に一般公開される予定。
2012年6月には、一部の駅施設を開業。10月1日には、海外からの観光客向けのサービスを提供する施設「JR EAST Travel Service Center」を設置し、JR乗車券の手配を行う旅行カウンター、観光案内所、外貨両替所、手荷物関連サービスなどを提供する。そのほか、「小さくとも本格的な美術館」をコンセプトとした「東京ステーションギャラリー」が2006年以来のリニューアルを行う。近現代美術や建築、デザインなどを中心に年5回程度の展覧会を企画する。
1915(大正4)年に開業し、工事のため2006年3月に休業した「東京ステーションホテル」が10月3日、新たに生まれ変わる。延べ床面積は2万800平方メートル。客室数は150室。宴会場、レストラン、スパなどを備える。
そのほか、10月から駅舎外観のライトアップを開始。照明デザイナーの面出薫さんがデザインを担当し、照明器具は全てLEDを使用する。