神田川浅草橋周辺で3月3日、「日本橋女学館」(中央区日本橋馬喰町2)の生徒による恒例の「流しびな」が行われた。
わらや紙で作った人形に身のけがれや災いを移し、川や海に流す「流しびな」の風習は、民俗行事として全国各地で行われている。同校では「健康で、夢や希望がかなうように」と願いを込め、1994年に同行事を始めた。
行事に先駆け、中学1年~高校2年の各クラスが休み時間や放課後を利用して「ひな」を制作。人型に限らず、干支(えと)にちなんで龍(りゅう)をモチーフにした作品が目立った。優秀作品は教職員の投票で選ばれ展示されるため、例年クラスが競い合い、大いに盛り上がりをみせる。今年の最優秀賞は芸術進学コースの2年4組で、授業やクラブ活動の合い間にクラス全員で2週間以上を掛けて作り上げたという。
当日は、クラス代表の生徒が屋形船に乗り込み、船上から手作りのひなと生徒たちが願い事を書いた紙を川に流すのが恒例。地元に定着した行事で、浅草橋の上には地元の写真愛好家や家族連れが集まり、黒山の人だかりが見られた。
流したひなは浅草橋の下で待機する教員が回収し、願い事は水に溶ける紙に書くなど環境にも配慮しているという。