丸ビル(千代田区丸の内1)マルキューブで2月15日、東日本大震災で流出した「高田松原」再生支援のキックオフイベントとして、花びらを敷き詰めて大きな絵を描く「インフィオラータ」が行われた。主催は全国23のガス事業者が参加する一般財団法人「ベターリビング」。
大津波で流出した松原の中で、唯一流されずに残った「奇跡の一本松」
同財団では「ガスで森をつくる」をテーマに、省エネ型ガス器具の普及に合わせて植樹活動を行う「ブルー&グリーンプロジェクト」を推進しており、海外で約390万本の植樹に取り組んできた。今回、活動の拠点を国内に移し、岩手県陸前高田市の同松原の再生を支援する。
江戸時代、地元の豪商菅野杢之助と松坂新右衛門が私財を投じて暴風・防潮林として砂地に松苗を植え始めたことに由来する同松原。明治・昭和の度重なる津波被害を乗り越えて繰り返し復元されてきたが、今回の大津波には耐えきることができず「奇跡の一本松」を残すのみとなった。現在、沿岸約2キロに2本の防潮堤を整備中で、2017年の完成を待って松の植栽が始まる。同プロジェクトでは日本緑化センターの協力を得て、津波で流された松ぼっくりから再生した松苗の育成や試験植栽、次世代を担う保育実践者の育成などを支援するという。
会場には陸前高田市から招待された6人の子どもたちと25人の一般参加の子どもたちが、応援に駆け付けたイメージキャラクターの谷花音ちゃんとともに、約4000本の色とりどりのカーネーションの花びらとカラーサンドで「高田松原」の再生を願う絵を描いた。当日初めて出会った子どもたちだが、互いに協力し合い2時間ほどで5メートル四方の作品を仕上げた。