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新川の居酒屋「ARIGATO SAKABA みどり」が1周年-65歳、定年後に開業

季節の刺身を丁寧に盛り付け

季節の刺身を丁寧に盛り付け

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 新川2丁目交差点近くの居酒屋「ARIGATO SAKABA みどり」(中央区新川2、TEL03-6228-3954)が11月16日、1周年を迎えた。

「時々飲む側に回りたくなるけど」と笑う平井さん

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 かつて人形町で働いていた元会社員の平井寛さんが、定年退職後に開いた同店。飲んだり、食べたり、料理をするのが好きで、週末にはホームパーティーで家族や友人に料理を振る舞っていたという。飲食店経営経験のある友人の協力を得て長年の夢をかなえた。店舗面積は14坪で、席数は22席。

 店名の「みどり」は平井さんの祖母の名前で、中高時代のクラスカラーの緑色に由来。65歳での挑戦に「迷いはなかった」と平井さんは話すが、家族や友人たちは驚きを隠せなかった。開店時に招いた元「緑組」のクラスメートたちからは「こんな時代に店を開くなんてばかだ。しかし、そんなばかが勇気を与えてくれる」と励ましのメッセージがあったという。

 食事は、季節感を重視し、素材と丁寧な調理にこだわる。「さんま磯辺巻」「なすの鶏そぼろ餡」「豚バラ大根煮」(以上600円)、さまざまな種類のじゃがいもやさつまいもを使った「フライドポテト」(400円)など、シンプルながら一ひねり加えたオリジナルメニュー。アルコールは、日本酒、焼酎を中心に酒好きの平井さんが選んだ珍しい銘柄をそろえる。「おすすめ」は、平井さんが会社員時代に単身赴任していた松阪で出会った地酒「鉾杉(ほこすぎ)」(600円)。「飲みやすい、飽きない、何とでも合う」と3拍子そろい、平井さんはどこへ行くにもペットボトルで持ち歩くほどだという。そのほか、キリン、サッポロ、アサヒ、エビスのビール(500円~)、日本酒派の平井さんも認めるアルコール度数31%の芋焼酎「白金酒造の本にごり」(600円)、梅酒「時代蔵八」(1,000円)などを提供。ソフトドリンクは「有機三年番茶」(ポット=300円)のみ。客単価は3,000円~4,500円。

 ランチは週替わりで、ご飯セット(ご飯・スープ・漬物)に「かきフライ」(480円)、「秋ジャケの粕漬け」(450円)、「小あじ南蛮漬け」(320円)などの好きなおかずを組み合わせて注文する。ご飯も精米店に特注しているという「五分づき米」のセット(400円)のほか、「煮あなごのばらちらし丼」「特製まぐろづけ丼」(以上980円)などが選べる。近隣に「ちょっとした和食を食べられる店が少ない」ことから、女性を中心に幅広い年代のリピーターが多いという。

 「若い人に酒を飲むことの楽しさを伝えたい。コミュニケーションの場を与えられれば」という思いで開業した平井さん。「初めての飲食業で難しいことも多い。友人や元同僚が利用してくれているが、新しいお客さんを増やしていくことが課題」とも。娘の聖子(しょうこ)さんが、ブログやツイッターなどで店のPRをサポートする。「みんなが楽しんでくれるとうれしい。時々飲む側に回りたくなるけど」と平井さんは笑う。

 営業時間は、ランチ=11時~14時(月曜~金曜、土曜・祝日は隔週で営業)、ディナー=18時~23時。土曜・日曜・祝日定休。

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