日本橋の老舗料亭「日本橋ゆかり」(中央区日本橋3)で来年1月21日、「割烹日本橋ゆかりで楽しむ季節の味と江戸の音~新春の懐石料理と富士松小照の新内~」が開催される。主催は、伝統芸能専門のイベント企画会社「芝居茶屋 新日屋」(日本橋久松町)。
浄瑠璃から派生した新内は三味線と語りが特徴の伝統芸能。同イベントは、いわゆるお座敷芸として発展してきた歴史に照らし、老舗料亭で懐石料理と一緒に楽しむ機会として企画された。担当の山口洋文さんは「昔は吉原などに流しの新内演者がいて、お座敷から声がかかって演奏するというスタイルだった。演者と鑑賞者の距離が近く、芸と同時に料理や空間も楽しむのが本来の楽しみ方」と話す。
会場となる日本橋ゆかりは1935(昭和10)年創業で、店主が親子3代にわたり宮内庁への出入りを許されたという由緒ある料亭。新内が披露される座敷は地下にあり、「新内流しがお座敷に降りていくというイメージと結び付き企画が生まれた」という。
「『お江戸日本橋』と言っても、現在の日本橋はビルに囲まれたオフィス街。江戸情緒や季節の移ろいを感じにくい。こういったイベントを通じ、日本橋らしさ、日本橋で感じる四季を創り出したい」と山口さん。「今回は1月開催ということもあり、新春のおめでたい雰囲気を味わってもらえれば」とも。
出演はNHKのテレビ番組「芸能花舞台」などでも活躍する新内の第一人者・富士松小照(ふじまつこてる)さん。料理は9品の懐石料理コースを提供する。過去の類似イベントでは女性の参加者が多く、着物でおしゃれをして来る人もいたという。
開演は18時。料金は1万8,000円。定員30人。