日本橋の秋恒例イベント「べったら市」が10月19日・20日、寶田恵比寿神社（中央区日本橋本町3）と椙森神社（日本橋堀留町1）周辺で行われる。

　江戸中期から続いている同イベント。例年、近隣の就労者や家族連れ、観光客などで約10万人の人出でにぎわう。

　江戸時代、毎年10月20日に商売繁盛を願って行う「恵比寿講」は、歳末の稼ぎ時を迎える商人にとって心構えを一つにする重要な行事だったが、恵比寿講の前日、参道に市が立ち、魚や野菜、神棚などが売られていたのがべったら市の起源といわれる。中でも、麹（こうじ）をべったりと付けた浅漬け大根は甘いものが貴重な時代に人気を呼び、よく売れたことから「べったら市」と呼ばれるようになった。

　当日は、べったら漬け以外にも、全国各地のご当地グルメが会場に集まるほか、周辺の老舗店や飲食店、住民などで構成する「べったら市地域振興会」がブースを出店し、500以上の露店が並ぶ。

　市が開かれる大伝馬町・本町エリアは2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華之夢噺」の主人公、蔦屋重三郎が版元「耕書堂」を開設した場所でもあり、今年は「蔦重勉強会」や蔦重講談など蔦屋重三郎テーマにした関連イベントも展開する。

　寶田恵比寿神社前では、10月4日から開催している「OH！江戸東京まつり」と連動して、「江戸町火消し」による木やりとはしご乗り（19日＝12時～）を行う。堀留公園では流鏑馬会（19日・20日＝12時40分～と14時30分の2回）を行う。