ミステリー作家・東野圭吾さんの新作小説「麒麟の翼」(講談社)が3月3日、発売される。
同作は48万部を売り上げ、テレビドラマ化もされて話題を呼んだ小説「新参者」に続く「加賀恭一郎シリーズ」の最新作。タイトルの「麒麟」とは「日本橋」の中央の柱に置かれている青銅製の麒麟像のことで、装丁にもその写真が使われている。前作は小伝馬町で起きた殺人事件を巡って「日本橋署」の刑事・加賀が人形町を主な舞台に活躍したが、同作では人形町を含む日本橋の広い地域が舞台になるという。
東野さんの作品は日本橋地域が舞台となることが多いことで知られる。「g@me」のタイトルで映画化された「ゲームの名は誘拐」では主人公は茅場町のマンションに住み、事件の重要な場面でロイヤルパークホテル(中央区日本橋蛎殻町1)と思われるホテルが使われた。同じく映画化された探偵ガリレオシリーズ「容疑者Xの献身」でも浜町付近が主な舞台。実在する名所や施設、店舗が登場し、それらの位置関係や構造などを生かした大胆なトリックが作品の面白さの一つになっている。
同作の事件は、「日本橋」の上で胸にナイフが刺さった死体が見つかることから始まる。帯には「ここから夢に羽ばたいてく、はずだった。」「誰も信じなくても、自分だけは信じよう。」という言葉。日本橋を舞台にどのようなミステリーが展開されるのか、期待が高まる。
46変判326ページ。価格は1,680円。