日本橋の街をキャンパスにしたボランティア講座「日本橋アカデミア」が今年4月、開講する。主催は、日本橋を拠点に東海道の清掃活動などに取り組む団体「日本橋リンケージ」。
「日本橋のまち全体をキャンパスに」をコンセプトとした同イベント。古代ギリシャで哲学者プラトンが開設した世界最古の大学「アカデミア」にちなみ、「参加者、講師がともに知的好奇心を満たし合い、日本橋の面白さや奥深さ、これからのあり方の探求」を目指す。
本格開講に先駆け、2月15日、老舗洋食店「日本橋たいめいけん」(中央区日本橋1、TEL 03-3271-2465)でプレ講義が行われた。街道沿いの老舗和菓子店を紹介するサイト「和菓子街道」を主宰するフリーライターの平松温子さんが「街道歩きのススメと道中老舗和菓子屋探訪」をテーマに講義。東海道の歴史的背景や平松さん自身の東海道徒歩制覇のエピソードを紹介するとともに、日本橋、二川宿、桑名宿の和菓子と日本茶を楽しみながらの懇親会を開いた。当日の参加者は43人で20~30代が中心。口コミで興味を持った日本橋エリア以外の人が多く、「東海道を歩いてみたくなった」「平松さんのおすすめの和菓子店は全てメモした」など好評だった。
「テーマに決まった枠組みはない」と同団体を主宰する早稲田大学助手の三浦秀之さん。「新しい発見や驚き、学びができる内容があれば誰もが講師になる」とも。三浦さんは愛知県二川市で「二川アカデミア」の運営に携わった経験を生かし、「細く、長く、地道に続けられれば。日本橋でも講座を中心とするコミュニティーを形成したい」と意気込む。
6月までは月1回、7月以降は月2回の開催を予定。初回は4月18日で、江戸うちわの老舗「伊場仙」(日本橋小舟町)の吉田誠男社長が「日本橋商人道」をテーマに講師を務める。その後、「Granma」(渋谷区)の本村拓人社長による「世界を変えるデザインとアジア途上国」(5月)、フカヒレと中国茶の専門店「古樹軒」(日本橋箱崎町)のスタッフによる「中国茶で夏を乗り切る」(6月)を予定。場所と講師が増えれば、それに伴い頻度も増やすという。
講師、場所代、スタッフは全てボランティア。各回の参加費は1,000円で、東海道沿道の宿場町のまちづくりに充てる。