人形町のデザインオフィス「Co-Net by battanation」(中央区日本橋小網町)で8月16日、東京の東西まちづくりスタッフによる公開企画会議が行われ、離れたエリアで連携できる動きについての検討が行われた。
東側からは、日本橋・馬喰町・浅草橋・神田を結ぶ文化エリア「CET(セントラルイースト東京)」で中心的に活動するシミズヨシユキさん、西側からは「23区以外の東京」をフィールドに地域の魅力を学ぶコミュニティー「東京にしがわ大学」学長の酒村なをさん、コミュニティーFMの番組を通じてまちづくりを行う「東京ウェッサイ」と立川の魅力的な空き物件紹介サイト「立川空想不動産」を運営する籾山真人さん、東西両方の活動にかかわり、今回の会議の提案者でもあるニシヤマトメ子さんがメーンで参加。傍聴者約10人も自由に議論に参加したほか、ユーストリームで中継され、会場外からもツイッターで意見が交わされた。
会議は、それぞれの活動の紹介から始まり、過去のイベントやメディアの活用、行政との連携など、各地域での事例と現在抱えている課題などについて意見を交換。街のあり方や都市開発そのものについても活発に議論された。
かつてベッドタウンとして発展してきたが、今後、人口の減少が予想される西側エリア。大型ショッピングモールなどの進出でカルチャーが希薄化する中、「東京にしがわ大学」や「東京ウェッサイ」は個性を感じるまちづくりや魅力の再発見に取り組んでいる。
一方、2003年に前身である「TDB-CE(東京デザイナーズブロック・セントラルイースト)」が立ち上がり、街をフィールドにした活動として先行するCETは新たなフェーズを迎えている。「空きビルを使った年1回のアートイベントとして始まり、そこに実際に人が移り住んだり、オフィスを移転したりするかたちで発展していったのがCET。その結果、このエリアの空きビルは減り、未開拓エリアの発見に面白さを感じるタイプの人には、ここを離れていく動きも見られる」とシミズさん。「逆に、もともと地元に存在しているコミュニティーとの交流を通じて、新しく移り住んだ層が地域に愛着を感じ始めている」とも。
東西両エリアで共通するのは「人と出会えて井戸端会議ができるような場所を増やしたい」という思い。いつでも人が立ち寄れるカフェが果たす役割は大きいという。
両エリアの今後の連携案として「共同開催のイベントを行う」「東西の交換留学生を作る」「西側に宿泊もできる基地的な場を作る」「両エリアを往復する自転車のシェアリングを行う」などのアイデアが挙がった。「荒削りな結論だが、できることから始めたい。離れたエリアだからこそ、互いを客観的に見られる部分もある。今後も刺激を与え合いたい」とシミズさんは話す。
来月にも同様の会議を行い、継続的な動きとしていくことで合意。次回は西側で行われるという。