東海東京証券東京営業部(中央区日本橋3)1階のギャラリースペースで2月4日、「京都・妙心寺退蔵院(みょうしんじたいぞういん) 村林由貴 襖(ふすま)絵展~美の創造とそれを支える職人たち~」が始まる。
同社は社会貢献活動の一環として、定期的に芸術・文化を紹介する「プレミア美術展」を開催。今回は、京都のPRイベント「京あるきin東京」の開催に合わせ、2011年春にスタートした「退蔵院方丈襖(ふすま)絵プロジェクト」の取り組みを紹介する。
現在、京都・妙心寺退蔵院には1600年代初頭に絵師・狩野了慶によって描かれたふすま絵が現存するが、損傷が激しく、普段は取り外して保管している。しかし、既存の文化財を保全するだけでなく「新たな芸術を生みたい」と、副住職の松山大耕さんは文化財に代わるふすま絵を描く若い絵師を募集する同プロジェクトを発案。「若く才能がある」「京都にゆかりのある」「やりきる度胸がある」「宗教や文化を尊重できる」という厳しい募集条件に対し、2011年3月に京都造形芸術大学院を卒業した村林由貴さんが選ばれ、同院の64枚のふすま絵の制作を開始した。400年前の絵師が置かれた環境と同じく、村林さんは今年秋までの完成まで同院に住み込み、精神修練を重ねながら絵を描き上げる。
「京都の寺には数千のふすまがあり、現代アーティストには大きな可能性がある。寺は、そのパトロンとなって芸術を育てていくことができる」と松山さん。村林さんは、大胆な線で素早く描く筆力が高く評価されたという。
同展では、現在までに村林さんが制作した水墨画の習作を展示するとともに、制作のための道具などにもスポットを当てる。
2月4日・9日・10日・11日には、松山さんや村林さんらが登壇しパネルディスカッションを開催。プロジェクトの狙いを紹介する。参加無料。事前予約制。
開催時間は、月曜~金曜=9時~18時、土曜・日曜・祝日=11時~17時(最終日は15時まで)。入場無料。今月17日まで。