日本橋三越本店のライオン像が今年で100歳になるのを記念して10月22日、童話本「ヨコちゃんとライオン」(1280円)が「パイ・インターナショナル」(豊島区南大塚2)から出版された。
同書を手掛けたのは「魔女の宅急便」などで知られる童話作家・角野栄子さん。「ずっと変わらず同じ場所にいつづけるライオンが、会うたびに成長していく女の子・ヨコちゃんを見守る」というストーリー。角野さんが作りだすファンタジーの世界に、イラストレーター・網中いづるさんが美しいイラストで飾る。
日本橋三越本店の正面入り口左右に飾られた同像は、1914(大正3)年、本館完成に合わせ、当時経営トップだった日比翁助が「勇気と気品、度量の象徴」として設置。ロンドンのトラファルガー広場にあるネルソン記念塔の下のライオン像を模して作られ、三越のシンボルともいえる存在となった。関東大震災で本館は消失しながらも同像は焼け残り、太平洋戦争では金属類の回収令で供出されたものの奇跡的に溶解を免れ、戦後、東郷神社(渋谷区)の境内で発見されるなど、激動の100年を生き延びた。
同店では現在ライオン像100歳にちなみ様々な関連グッズを用意、本館6階の美術工芸サロンでは若手陶芸家 長瀬渉さんによるライオンの陶ブローチ兼帯留め5種を1回10000円のカプセル自販機で提供する(限定100個)。同じく誕生100年を迎える食品フロアでもライオンをモチーフとした和洋菓子などが期間限定で販売される。