大丸東京店(千代田区丸の内1)で現在、絵画展「増島豊治~世界遺産アルベロベッロの陽光~」が開催されている。
画家・増島豊治さんは1969(昭和44)年に22歳で渡欧し、イタリア、フランス、スペインなどを巡りながら作品制作を続ける中、ローマで彫刻家の高田博厚さんに師事。以後ローマにアトリエを構え、45年以上にわたりイタリアで制作活動を行ってきた。現在は、南イタリアにある世界遺産の街・アルベロベッロのアトリエで作品制作を続けている。
「イタリアの人と風土が自分に合っている」と話す増島さん。朝5時に起床し、6時には制作活動に入り、夕方は近所の住民とワインを酌み交わしながら語り合うといい、「人との関わりが制作の原動力になる」と目を細める。
風景や花、人物などさまざまなものを描き、街からの依頼で5メートル近くある教会の壁画も手掛けたという増島さんは、今後もイタリアの地で制作活動を続けていくという。
一方で、「(イタリアに)45年以上住んでいても日本が捨てきれず、年に何カ月かは日本で暮らす」とも。「完璧なイタリア人にはなりきれない。彼らが見るイタリアの風景と日本人としての目で自分が見る風景は違うようだが、その違いが逆に新鮮に映り、受け入れられているのかもしれない」と話す。
増島さんは「芸術は好きか嫌いか。『理論』や『組み立て』で描くものではない。女性を好きになるのに理屈は要らないのと同じ」とほほ笑む。
開催時間は10時~20時(最終日は17時まで)。入場無料。4月24日~28日午後は増島さんが来場する予定。4月28日まで。