日本橋川沿いの居酒屋「日本橋室町 豊年萬福」(中央区日本橋室町1)で7月4日、「南三陸応縁団」交流イベントが行われた。主催は宮城県南三陸町。
東日本大震災では大きな津波被害を受けた南三陸町だが、全国各地から多くの支援が寄せられ、同町を訪れたボランティアは延べ15万人に及ぶ。同町ではこうしたボランティアとの縁を将来にわたり深めていくために「南三陸応縁団」を設立。5月から正式に団員の募集を始め、現在、全国で約600人が登録している。
今回はその第1回交流会として「南三陸応縁団交流イベントin日本橋」を開催。各地から駆け付けた団員80人に加え、地元関係者や同町の支援を続ける三井不動産の社員など約100人が参加して、南三陸産の新鮮な魚介類と地酒で親交を深めた。
震災から4年たった現在でも復興の道のりは遠く、震災前は1万7666人だった同町の人口も1万4000人を割り、持ち家率も8割から5割へと落ち込んでいる。まだまだ支援が必要な状況だが同町を訪れるボランティア数も2011年の6万500人から1万4300人(2014年)へと激減している。
同応縁団はこうした状況の中、「共に未来へ!」を合言葉に、単なる「支援」から共に価値を創造する「協働」へと活動をシフトさせ、全国の「支援者の活力」と「地域の魅力」の出会いをサポート。さらに南三陸の自然や海の幸、人情の魅力を伝え観光振興やIターン・移住促進にも力を注いでいくという。
「今まで頂いた支援のお礼を兼ね、全国どこにでも出掛けて『南三陸交流イベント』を開きたい」と同町の佐藤仁町長。「皆さんに直接お会いして、南三陸町の魅力を伝えて一人でも多くのファン(団員)を増やしていきたい」と話す。
参加者の一人で千葉市の会社員、小山香さん(団員番号211番)は「ボランティアで初めて訪れた南三陸の自然の美しさに魅了され一度でファンになった。現地に応援に行ったのに、逆に自分自身が励まされて元気になった」と笑顔を見せていた。
団員にはシリアルナンバー付きの団員証が交付され、南三陸の観光情報のほか、「おでって(お手伝い)」情報や交流の場を提供。希望者にはイベント支援ボランティアとしてユニホームも支給する。さらに、現地での買い物や「おでって(お手伝い)」活動への参加ごとに付与されるポイントカードも発行する。同町の専用ホームページで入会を受け付けている。入会無料。