名橋「日本橋」保存会とドイツの大手清掃機器メーカーの日本法人「ケルヒャージャパン」(宮城県黒川郡)が11月1日、「日本橋クリーニングプロジェクト」を開始した。
来年4月に架橋100年を迎える重要文化財「日本橋」を、ケルヒャー社製の高圧洗浄機で洗浄する同プロジェクト。同社は、CSR活動の一環として、これまでニューヨークの自由の女神像やバチカンのサン・ピエトロ広場、広島の平和記念公園など、世界中の文化財をクリーニングするプロジェクトを展開してきた。洗浄剤・化学薬品などを一切使わず、節水、低燃費で環境に優しいエコな手法として高圧洗浄機をアピールする。
プロジェクトに先立ち、2007年3月、同社の洗浄スペシャリスト・トルステン・モーヴェスさんが来日し、テスト洗浄とデモンストレーションを実施。今回もモーヴェスさんが指揮を執り、修復家2人、同社スタッフ2人でチームを編成し、作業を行う。洗浄は、下流側に設置した足場から日本橋側面、高欄、次に上流側というステップで行われ、全体で約1月半をかける。
「テスト洗浄の結果から、日本橋の素材である花崗岩を傷めずに汚れを落とすには、全体を温水高圧洗浄してから、汚れのひどい個所を2種類のパウダーを使い分けて洗うことが最適と判断した。センチ単位で進む作業」と同社広報の蜷川さん。「重要文化財である日本橋を洗浄することは、洗浄機器メーカーであるケルヒャ-社としての使命。その結果として、ブランドへの認知や信頼が高まれば」とも。
プロジェクト初日は安全祈願およびスタートセレモニーの開催後、作業を開始する。100年分の汚れを落とした日本橋の姿は、年内にはお披露目となる予定。