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水天宮前にコワーキングスペース 社会起業家・NPO支援の場づくり目指す

建物の外観。2階部分が新設のコワーキングスペース

建物の外観。2階部分が新設のコワーキングスペース

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水天宮駅近くに11月1日、社会起業家やNPOの活動支援をコンセプトとするコワーキングスペース「Social Business Lab II(ソーシャル ビジネス ラボ2)」(中央区日本橋蛎殻町1、TEL 050-5898-6992)がオープンした。運営はNPO法人「芸術家の村」(同)。

2足の草鞋で活動する同NPO代表の柚木理雄さん(31歳)

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 2012年設立の同NPOは、「空き家問題解決や商店街活性化などの地域振興事業」「社会問題の解決に取り組む団体や個人の支援」を中心に活動。これまで、今回新設したスペースの向かいにあるビルの3フロアを使い、主に社会起業家や他NPOが利用できる多目的スペースとして(非営利活動の場合)1部屋1時間あたり500円で貸し出してきた。これまで約200団体が利用登録し、先月の来場者数は1000人に達した。

 そのほか、ボランティア募集のプラットフォーム「Colla Vol(コラボル)」(登録数=約2,000団体)や、寄付プラットフォーム「SOIF(ソイフ)」(寄付実績=51件)を運営している。

 コワーキングスペースの面積は48.7平方メートル。席数は20席。月額利用料金は、フリー席の場合、平日9~18時利用=5,000円、24時間利用=9,000円ほか。固定席は1席2万5,000円。事務所としての住所登記や、郵便物受け取り、併設の会議室利用、提携の弁護士・会計士など専門家への相談にも対応。同NPOがこれまでの運営で蓄積した知見やネットワークを駆使することで複合的に利用者の事業を支援する体制も備えている。

 同NPO設立のきっかけは、理事長の柚木理雄さんが東日本大震災後にさまざまな非営利団体が活躍している様子を目の当たりにし、草の根的な活動をしている民間団体の役割が今後より一層重要になってくると確信したこと。しかし、それらの団体の活動継続が人力や経済面の問題などで難しい現実も知ったことからNGO・NPOの可能性を広げ、社会問題を解決するための「ソーシャル・ビジネス」の実現と支援に強い関心を持ったという。

 施設名は「ビジネスとしても成り立たせながら、持続可能な社会貢献をする『ソーシャル・ビジネス』のアイデアを皆で考え試す場所にしたい」思いから付けたという。

 この立地を選んだ理由を柚木さんは「私たちも活動当初は都心に住むメンバーらが落ち着いて話せる打ち合わせ場所を探すだけで時間がかかり、場所を借りる費用もかさんだ。無料のセミナーやワークショップを開催すればするほど赤字になることも。これらが続くとモチベーションが下がったり、アイデアが企画で終わってしまったりすることにつながりかねないと身を持って経験した。活動を始めた時期に中央区に住み、ご縁を頂いたこともあるが、だからこそ利便性の良いこの日本橋に『自分の住む街を少しでもよくしたい』と活動している人たちを支援する場を設けたいと考えた」と話す。

 今後の展開については、「芸術家の村で培ってきたネットワークやノウハウを生かしながら、さまざまな団体・個人に社会活動の場を提供することで、利用者の交流・マッチングによって新しい活動やソーシャル・ビジネスが生み出されることを目指したい。さらに、利用者同士が一緒にプロジェクトを作って共に発展してけるような場を創れたら」とも。

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