大丸東京店(千代田区丸の内1)10階の美術サロンで画家・日下部和俊濱さんの洋画展が開かれている。
作品にはそれぞれテーマとなる色をその色を引き立てる脇役が描かれる
パリやベネチア、ロンドンなど歴史ある街並みの中から日常の風景を切り取り、その透明な光や空気感を独自の画法で描く日下部作品、今回は新作も含め約30点を展覧する。キャンパスに繰り広げられる明快な色彩と独特の世界観は古いヨーロッパ映画のワンシーンを思わせ、特に医者や大学教授、経営者など中高年の男性層に評価が高いという。
東京芸大で日本画を専攻中から平山郁夫さんなどの教授陣にそのデッサン力と色彩感覚を高く評価され後に洋画に転向したという日下部さん。丹念で緻密な点描技法は10号(53×45.5センチ)の作品を制作するのに100時間を費やすという情熱と圧倒的な描写力で裏打ちされている。
「最初の印象で主役になるモチーフと色を決めて絵の具の色そのままをキャンバスに置き、その主役を引き立てる脇役として、さまざまな色彩や形を微細な点描で加えていく」と独自の技法を語る日下部さん。「以前は途中で迷うこともあったが、ブレずに最後まで描ききることが満足いく作品を描くポイント」と笑顔を見せる。
開廊時間は10時~20時(最終日は17時30分まで)入場無料11月17日まで。