日本橋三井タワーの千疋屋総本店(中央区日本橋室町2)で6月11日、国内栽培130周年を記念した「岡山産マスカットフェア」が開かれた。
初競りでは1箱3万円の高値を付けたという「マスカット・オブ・アレキサンドリア」
エメラルドグリーンの大きな粒で、豊かな香りと甘さから「果物の女王」と評される「マスカット・オブ・アレキサンドリア」。原産地は北アフリカで古代、クレオパトラも口にしていたという。「晴れの国」と呼ばれる岡山県の気候が原産地の高温・少雨の環境に近く先人たちの栽培研究の努力もあって、同県の出荷量は国内生産の9割を超える。
「開花後、生産者が手作業で粒間引きを行うなど手間暇かけて栽培している。マスカットは岡山を代表するフルーツ。冷やし過ぎは禁物、食べる直前に30分ほど冷やして芳醇(ほうじゅん)な香りと甘みを楽しんでほしい」と同県農林水産部の仁科寿さん。「春先の天候に恵まれて糖度も高く、大田市場での初セリでは1箱3万円の高値がついた」と自信を見せる。
「6月はマスカットの旬のはしり。毎年この時期になるとお客さまからの問い合わせが増える。贈答品としてのニーズが高い」と千疋屋総本店の清水明販売部長。「贈る側も贈られる側も、『果物の女王』を心待ちにしているようだ」と話す。