東京メトロ三越前駅の地下連絡通路で9月5日、交通遺児や重度後遺障がい者の作品展「ナスバギャラリー IN 東京」が始まった。主催は自動車事故対策機構(NASVA)。
交通遺児への学費支援や重度後遺障がい者への介護料の支給、交通事故防止の啓もう活動など自動車事故被害者をさまざまな角度から支援する同機構が、事故被害者援護業務の一環として行う。
会場には「体は不自由だけど不幸じゃないよ」とメッセージを送るPOPライターの関根里絵さんの作品など車いす生活を余儀なくされた重度後遺障がい者による創作作品50点や、交通事故で保護者を亡くした児童らの「友の会」絵画コンテスト入賞作品85点が並ぶ。
昨年の交通死亡事故の件数は4117件。年々件数は減っているが65歳以上の高齢者の事故率が高いという。同機構が支援する交通遺児は約300人、重度後遺障がい者は10000人にのぼる。「出展者の皆さんから『我々のような被害者をもうこれ以上出さないでほしい』という真摯なメッセージを預かっている。誰もが加害者や被害者になってしまう可能性があるので、心してハンドルを握ってほしい」と同機構の被害者援護部の笠井雄介さん。「展示を通して自動車事故被害者の現況を知っていただき、事故防止の意識を高めてほしい」と話す。
展示時間は終日で観覧無料。今月11日まで。