日本橋久松町に12月4日、スポーツバイク専門店「ローロバイシクルズ」(中央区日本橋久松町、TEL 03-6661-1382)がオープンした。経営はモダンプラネット(京都市上京区)。
社長の大石浩さんは、かつて松下電器産業(現パナソニック)でエンジニアをしていたが、30歳で会社を辞め、知人の経営する自転車店のチェーン展開を担い始めた。いわゆる「ママチャリ」を販売していたが、「カーディーラーのような」大型店とすることで成功を収め、3年間で8店舗を展開するように。しかし、「1台9,800円程度のママチャリは、盗まれても惜しまれず、雨ざらしにされるなどあまり大事にされない。簡単に廃棄され、まるでゴミを売っているような罪悪感があった」と振り返る。
1999年に自らの資本で独立。「自分でやるなら、高くても良いものを丁寧に売りたい」と、大阪に国内初の折りたたみ自転車専門店「ローロサイクルワークス」をオープンした。当時は例が少なかったネット販売が全国のファンの間で話題を呼び、メディアから多数の取材を受けるなどして、一躍折りたたみ自転車ブームを生む。その後、京都・世田谷・日本橋・横浜で小径自転車専門店を展開してきた。
今回オープンした東日本橋店は、世界最大のスポーツバイクブランド「TREK」の商品に絞り込んだフルサイズ自転車のセレクトショップ。TREKのコンセプトストアとしては全国15店舗目。「多様性を重視しているため一つのブランドに絞り込むことに迷いもあったが、TREKはどの価格帯の商品にも高い技術が盛り込まれ、ベストな乗り心地。同じ価格なら一番良い選択だと言え、ユーザーにとって利益がある」と大石さん。
大石さんは、東日本橋を「アップダウンが少なくフラットで、車道・歩道の幅が広い。自転車が乗りやすい街」と話す。「オフィスが多く、仕事帰りの来店が見込める。長年人が暮らしてきた下町の雰囲気も良い」とも。「自転車を使って豊かな気持ちで暮らす」という同社のテーマに合致するとして、出店場所に選んだ。
店舗面積は42坪。店内は、「スポーツバイク店にありがちな、メカメカしいかっこよさを排除」し、壁面に植物をモチーフとした装飾を施すなど、「女性を意識した和む」内装に。5万円台~約100万円の幅広いラインアップの自転車を常時約50台置き、サイズ・色などのバリエーションも豊富に取りそろえる。身長と座高、臀部(でんぶ)の厚さから適したサイズの自転車を知ることができる測定器を備えた「バイクフィッティングルーム」を設置。臀部の幅に合ったサドルを選ぶこともできる。
営業時間は10時30分~19時30分。木曜定休。