日本橋本町の「マンダリンオリエンタル東京」(中央区日本橋室町2)3階で3月5日、TED公認のカンファレンス「TEDx Nihonbashi Salon vol.2」が行われた。
TEDはテクノロジー、エンターテインメント、デザインが一体となって未来を形作るというコンセプトで1984年にアメリカで生まれたスピーチフォーラム。TEDxはそのライセンスを得て「広める価値のあるアイデアの拡散と共有」をテーマに世界170カ国で生まれているコミュニティーで日本国内でもこれまでに70を超える地域・教育機関などで開催されている。
日本橋では昨年7月に初のカンファレンスとなる「TEDx Nihonbashi Salon」を開催し、10月に「新メンバー募集 説明会」を実施。参加メンバーはそれぞれの特技を生かして、広報や運営、翻訳など各セクションのプロフェッショナルとして役割を果たしている。
2回目のカンファレンスとなった今回は、日本橋小網町で140年続く「うなぎ喜代川」5代目若女将の渡辺恵理さんや、京都大学IPS細胞研究所の八代嘉美さん、日本橋人形町出身のミュージシャンで「国際セラピードッグ協会」代表の大木トオルさん。フィンテックサービスを手掛けるVALU代表の小川晃平さんの4人が登壇。会場には近隣で働くサラリーマンやOL、学生など約80人が参加し、4人の白熱トークに熱心に聞き入っていた。
今回、友人に誘われて初めて参加したという日本茶アンバサダー協会代表理事の満木葉子さんは「誰かの一言が世界を変えるかもしれない、そんな渦を起こす一石を投じるのがTEDだと体感させていただいた。テレビや動画で見るのもいいが、その場にいるとプレゼンテーターだけではなくオーディエンスとも熱を交換し合うような体験ができた。アフターパーティーでもスタッフの方がどんどん引き合わせてくれて、活躍されている方々とつながることができた。一言でいうと実にエキサイティングな夜だった」と話していた。
江戸から続く老舗が多く集積する日本橋だが、かつて薬種商が軒を連ねた薬の街として現在バイオサイエンス産業が集まる「本町」や、銀行発祥の地で金融の街として発達した「兜町」、歌舞伎や人形浄瑠璃で芸能の街として発展した「人形町」などエリアごとにさまざまな顔を持つ。今回のカンファレンスでは「老舗」や「バイオ関連」、「フィンテック」など日本橋らしいテーマを4つそろえたという。「1つでも興味が持てれば、あとはご自身で更に深掘りして学びを深めてほしい」と発起人の一人で各地のTEDxの立ち上げに関わってきた鈴木祐介さん。「引き続き『TEDx Nihonbashi』の運営スタッフ募集も行っているので興味のある方はぜひ」とも。
次回のカンファレンスは8月を予定する。スタッフ参加申し込みはホームページなどで受け付ける。