日本橋の中央区立常盤小学校(中央区日本橋本石町4)で4月19日、児童らが地元のホテル「マンダリン オリエンタル 東京」で働く外国人ワーカーらと日本の伝統的な遊びや給食を英語で体験する交流イベントが行われた。
江戸城と下町を結ぶ常盤御門近くに位置し、1673(明治6)年の創立以来、地元日本橋の老舗の旦那衆など多くの卒業生を輩出してきた同校。関東大震災後に竣工した鉄筋コンクリート造りの現校舎は都の歴史的建造物に選定されるなど日本橋の名所の一つとしても知られている。
一時期は都心部の人口減に伴い児童数も激減していたが、中央区民なら学区を超えて誰でも志望できる特認校の一つとして指定され、外国人講師らによる英語教育や日本橋らしく邦楽・講談・囲碁などの日本の伝統文化を学ぶ独自のカリキュラムも人気を呼び、最近では児童数も増加の傾向にあるという。
今回のイベントは、同校に近い「マンダリン オリエンタル 東京」が制作した「日本橋ガイド英語版」を同小の齋藤優校長が目にして、児童の英語教育に生かすために譲り受けたのがきっかけ。ホテル側が同ガイドを通じて、より身近に英語でのコミュニケーションや日本橋について学んでもらうために全3回の交流会を提案し、実施が決まったという。
2回目となった今回は6年生児童11人が、日頃の英語学習を生かして同ホテルの外国人ワーカー5人に校舎案内や、あやとり、けん玉、福笑いなど昔ながらの子ども遊びを英語でレクチャーした。終了後はグループに分かれて、「炊き込みご飯」「小判型おから揚げ」の給食を楽しんだほか、食事中の会話も英語で行った。
「英語教育は机上で学ぶだけでは身につかない。こうして実際に外国の方と交流してコミュニケーションを取ることで体得できる」と斎藤校長。「多少英語ができても、日本橋の歴史を知らなければ、外国人に街の紹介もできない。そういう意味で日本や地域の伝統文化授業を行っているが、このガイドブックも、とても役に立つ」と話す。
同ホテル担当者は「この『日本橋ガイド』は、グループの理念『立地する土地柄と文化に敬意を表するホテルづくり』に基づいて日本橋の魅力を国内外のお客さまに知っていただけるようオリジナルで制作した。今回の企画もガイドブックを通して、子どもたちが日本橋の魅力を英語で伝えることを学ぶ機会として考案した。次回はこの交流会を通して学んだ英語を生かしながら、日本橋の街を案内いただけるとのこと。今から楽しみにしている」と話す。
次回は7月、児童らが「日本橋ガイド英語版」を片手に英語で日本橋の名所や老舗を案内する「英語街歩き」に挑戦するという。