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人形町の画廊で「アンチ」テーマのアート展 作家が旧来イメージを自己否定

今回の展示では「中指を立てた手」をモチーフに展示空間の隅々までインスタレーションアートとして「佐々木ワールド」を創出

今回の展示では「中指を立てた手」をモチーフに展示空間の隅々までインスタレーションアートとして「佐々木ワールド」を創出

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 人形町のインターネットアートギャラリー「タグボート」(中央区日本橋人形町3 TEL03-5645-3242)で4月13日、現代アーティスト佐々木敬介さんによる個展「The Show」が始まった。

「中指立て」をモチーフに、ポップな作風で多様に展開

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 東京藝術大学日本画専攻を卒業後、昨年3月に大学院を修了した佐々木さん。作風は毎回「日本画」のジャンルを大きく超えて、全国美術大学奨学日本画展入選や三菱商事アート・ゲート・プログラム入選、東京藝術大学安宅賞受賞など、大学在学時から多方面で評価されてきた。

 今回の展示では、従来の作風をさらに変化させ、外国の侮蔑表現である「中指を立てた手」をモチーフに、ポップな作風で多様に展開。壁紙にも使って、展示空間の隅々までインスタレーションアートとして「佐々木ワールド」を創り出す。

 佐々木さんは「フォービズムや抽象表現主義、ポップアートなど芸術のターニングポイントとなる運動は、それまでの芸術の流れを少なからず否定して新たな価値観を打ち立てて見せてきたもの。作品を発表するということは別の価値観を否定する機能を必ず含んでいる。 その機能こそが美術を拡張し魅力的にしてきた」と話す。

 「発表することが『なにかのアンチであることに無自覚なこと』、あるいは『その姿勢を隠して振る舞うこと』に対するアンチという意味を込めて、今回の展覧会を開催した」と話す。

 同ギャラリーオーナーの徳光健治さんは「インターネット販売では、毎回24時間以内に完売してしまう人気作家だが、そうした『佐々木敬介』のイメージを打ち壊し、思い込みに中指を突き立てるという彼らしい覚悟の表れ。これまでとは全く違った作風が、常に進化する作家としての彼の魅力。20代半ばという若さで、これからどんな飛躍を見せてくれるのか非常に楽しみ」と話す。

 開催時間は12時~19時。土曜・日曜・祝日休館。5月10日まで。

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