大門通り沿いのアート集積ビル「PUBULICUS(読みカナ)」(中央区日本橋大伝馬町13)1階に6月9日、アートギャラリー「REIJINSHA GALLERY」がオープンした。運営は美術雑誌「百兵衛」の出版や「雪舟国際美術協会」運営を手掛ける「麗人社」(大阪市)。
野口和男社長によると、近年、人形町から東日本橋、馬喰町にかけてアートギャラリーが集積してきた中で、日本橋地区への移転を模索してきたという。
店舗面積は20坪で、展示可能作品数は20~25点。大門通りに面した1階の角地で、オフホワイトを基調とした明るい店内に、白のらせん階段が目を引く。
野口社長は「2012年から4月まで営業を続けてきた銀座の店舗は地下1階。ギャラリーの存在を知らない客にとっては入りにくい場所だったため1階の物件を探していた。新ギャラリーの面積は銀座時代の約半分だが、作家が1年間書きためて個展を開くには手ごろな広さ。人気作家の個展が毎年開催できる」と話す。
かつて江戸城と下町をつなぐ常盤御門から大伝馬町、馬喰町を経て日光街道、奥州街道へと続く通りは「出世街道」とも呼ばれ、江戸一番のにぎわいを見せたという。木綿問屋など大店(おおだな)が軒を連ね、絵草紙や浮世絵の版元も集積。版元の周りには絵師や掘り師、刷り師も多く住んでいたアートの街でもあった。
「ギャラリーの裏手には、かつて『写楽』を世に出した蔦屋重三郎の耕書堂が店を構え、戯作(げさく)者や絵師、掘り師、刷り師が住んでいたと聞く。同じアートと出版に携わる身としてはワクワクする」と野口社長。「地域の皆さまが、気軽に入れる開かれたギャラリーとして運営したい。周辺のギャラリーと一緒にアートの街として大伝馬町・東日本橋エリアを盛り上げていきたい」と話す。
同ギャラリーではオープニング企画として取扱アーティストの常設展を「REIJINSHA GALLERY'S EYE」と題して3期(Vol.1: ~6月23日、Vol.2: 6月29日~7月13日、Vol.3: 7月20日~8月3日)に分けて開催する。
営業時間は12時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。日曜・月曜日定休。