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日本橋のギャラリーでパフォーマンス「おく」 日常動作とアートの境界問う

「おく」パフォーマンス風景

「おく」パフォーマンス風景

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 週末限定のパフォーマンスアートイベント「おく_しばらくの間、そこに」が、現代アートギャラリー「Sansiao Gallery」(中央区日本橋3)で開催されている。

パフォーマーの3人とゲストパフォーマーの元場葵(もとばあおい)さん

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 「おく」は、パフォーマンスアート作品。2人のパフォーマーが交互に物を「置く」行為を繰り返すことで、日常的に行う「置く」という動作と創作活動との境界があいまいになり、鑑賞者に新たな視点を与える。同作品は、2017年より藤中康輝(ふじなかこうき)さん、金森由晃(かなもりよしあき)さん、板倉諄哉(いたくらあつや)さんら同級生3人で制作。以後、場所やテーマを変えながら活動を続け、同展で7回目の発表となる。それぞれ工芸、メディア造形、グラフィックデザインを専攻する美大生で、この課外活動は各々の専門分野にも生かされているという。会期中、同ギャラリーの別スペースでは、3人それぞれの作品も展示する。

 同じ空間で別のアーティストの作品を展示しているギャラリーでパフォーマンスを行うのは初の試みで、同ギャラリーの所蔵作品である、ロバート・マザウェルさん、リュック・タイマンスさん、ローリー・シモンズさんらの作品が展示される。他作品が影響力を持つスペースの中に、物体や色を新たに配置し、相手の出方に応じたリアクションを重ねることで、緊張感が高まっていくという。

3月2日に行われたパフォーマンス後、置かれたものの意味や鑑賞中に抱いた感想についてパフォーマーにたずねたり、語らったりする場面も。鑑賞者は「ジャズの即興演奏を見ているみたい」「ラップバトルに似ている」「囲碁のようだ」などそれぞれの解釈を得ていた。

 今後の活動について、藤中さんは「『おく』は、どこでもできるし、言葉を使わないパフォーマンス。場所、もの、人の入れ替えが利くので、これからもたくさんのパターンを試してみたい」と話す。

 開館時間は12時~19時(パフォーマンス開始時間は15時30分、17時、土曜のみ13時も)。入場無料。展示は3月8日・9日・15日・16日の4日間。

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