大丸東京店7階の紳士洋品雑貨売り場に5月8日、兵庫県豊岡市のカバン職人たちが手掛ける革製品ブランド「CREEZAN(クリーザン)」のポップアップショップが期間限定オープンした。
日本製革カバンの一大生産地として、奈良時代から1000年を超える歴史を持つという豊岡市。盆地の地形に自生するコリヤナギを原料にしたヤナギ細工のカゴを起源に、江戸時代には柳行李(やなぎごおり)生産が盛んとなり、明治時代にはパリ万国博覧会に出品するなどして全国知名度を誇った。革カバン生産のピーク時には国内シェアの8割を占めていたというが、OEM生産が主だったため生産地「豊岡」の名が知られることは少なかったという。
豊岡市内には現在180を超すカバンメーカーがある一方、安価な輸入商品に押されて厳しい状況が続いているとも。そこで、企業有志が兵庫県鞄工業組合の厳しいチェック項目に沿って生産した製品を地域ブランド「豊岡鞄」として立ち上げ、積極的にマーケティングを行っている。
「豊岡鞄」ブランドの一つ「CREEZAN」はカバンメーカー「コニー」(兵庫県豊岡市)が2015年に立ち上げたオリジナルブランド。発売以来、日本の職人の常識にとらわれないものづくりを信条に、「上質で洗練された大人のカバン」製造を目指してきた。
大丸東京店では2回目の展示販売となる。店内には、肉厚のシュリンクレザーを使いソフトな風合いが特徴というフラグシップシリーズ「JETTER(ジェッター)」をはじめ、世界のラグジュアリーブランドが採用するイタリア・リモンタ社のナイロン製素材「NYCER(ナイサー)を使った「STREAMER(ストリーマー)」シリーズ、リモンタ社のナイロン素材「DAVIS(デイビス)」を使った「DAY TRIPPER(デイトリッパー)」、日本の職人がハンドメードで作り上げたカメラバッグシリーズ「ULTIMATE(アルティメット)」など全6シリーズの商品を取りそろえる。
「国内一の革カバン生産量を誇る兵庫県豊岡市の高い技術を持った職人が丹精込めて製作したカバンを、日本橋の方々の審美眼で見ていただくのが楽しみ」と西田正樹社長。「カバンの街・豊岡の自信作をぜひ実際に手にとって見てほしい」と来店を呼び掛ける。
営業時間は10時~20時(木曜日、金曜日は21時まで)。5月28日まで。