日本橋大伝馬町のアート拠点「Creative Hub 131」と「PUBLICUS x Nihonbashi」地下1階の「NICA」(中央区日本橋大伝馬町13)で7月27日、開業8周年記念イベント「Creative Hub 131久しぶりにみんなで集まりましょう会」が開催された。
十数年前、同エリアでは東日本橋地区を中心にデザイン、アート、建築の観点から日本橋を「再構築=創造」する「CET(セントラル イースト トーキョー)」と呼ばれる活動が繰り広げられていた。問屋街の古いビルをリノベーションしてさまざまなクリエーターが入居し創造活動を展開していたが推進役の逝去などで、その動きは一時期下火となる。同スペースエグゼクティブ・ディレクターで現代アーティストの新野圭二郎さんは、そのCETの流れを踏襲し、築58年、地上7階、地下1階建てのビルをリノベーションして「Creative Hub 131」として2011年に開業した。
「Creative Hub 131」の名称は、さまざまなジャンルのプロフェッショナルなクリエーターが集まるネットワーク拠点という意味のHub(ハブ)と、準備期間に起こった3.11を経て、大伝馬町から新たに始めて行く決意を込めて命名。現在11組のクリエーターが入居して創作活動を行っている。
8周年目となる今回は、入居アーティスト6人によるプレゼンテーション大会や近況報告を中心に展開。林美貴さん主宰の「mikibar」では林さんの実家でもある長野の銘酒「神渡」を中心に日本酒ソルティドッグなどのドリンク類を用意。飲食店「日本橋浜町とうとう」が「特製夏カレー」を提供した。
体験型イベントとして、ダンサー「ささきさくら」による「サルサレッスン」や、「OH!伝馬町」など地元にちなんだ楽曲を持つ「いぶし銀ブルースバンド―縄文ズ」によるライブパフォーマンス、音楽レーベル主宰伊藤正勝によるDJタイムなど、入居アーティストがそれぞれ得意分野で来場者をもてなした。
「皆さまのおかげで無事8周年を迎えることができた。その間、多くの若いアーティスト・クリエータ―がこの場所から巣立っていった。」と新野さん。「江戸の始まりのほか、日本橋大伝馬町は、かつて蔦屋重三郎の『耕書堂』など版元や大店が軒を連ねた江戸文化発信の地。これからも地元老舗の旦那衆と若い世代とつなげるクリエーティブハブであり続けたい」と話す。