日本橋で、物々交換で老舗の思いや志をつなぐ試み「日本橋もの繋ぎプロジェクト」が始まった。
「もの繋ぎプロジェクト」日本橋版、始動 銀座発の取組みを若手経営者ら展開
原型は新型コロナウイルスの影響で活気を失った街を元気づけようと、銀座の老舗和菓子店「木挽町(こびきちょう)よしや」(銀座3)3代目・斉藤大地さんが今年4月2日に立ち上げた「銀座もの繋ぎプロジェクト」。
コロナ禍で疲弊する小売店などを対象に、自社商品の「物々交換」の様子をSNSで発信することでその商品や店舗を紹介し、大きな「助け合いの輪」を作ることを目指す。すでに100を超える物々交換の様子がSNSで紹介され、GINZAMATSUYAでの「もの繋ぎプロジェクト展」などコラボ企画も多方面に広がっている。
日本橋地区では1810(文化7)年創業の弁当店「日本橋弁松総本店」(中央区日本橋室町1)8代目当主の樋口純一さんと、今年7月に1849(嘉永2)年創業の「山本海苔店」(同)社長に就任した山本貴大さんが推進役となる。
「プロジェクトいち繋ぎ」目は、山本さんと1889(明治22)年創業の江戸前ずしの老舗「蛇の市本店」(同)5代目の寶井英晴さんの対談。両店のコラボ企画として、三越前のホットサンド専門店「HOT SAND LABO mm」(同)で、蛇の市特製玉子焼きと山本海苔店の焼きのりを使用した「海苔たまごサンド」を期間限定で販売した。二人の対談の様子はYouTube などで発信している。
「日本橋には江戸から続く魅力的な店も多いが、コロナ禍で客足が落ちて苦戦している店もある。若手の力で街の活性化に繋がればと、銀座の斎藤さんにお願いして日本橋でも展開することになった」と樋口さん。「商品もさることながら、日本橋にはユニークな経営者も多いので、商品と併せて人の魅力も紹介していきたい。日本橋周辺では街の再開発も盛んだが、テナント誘致には『日本橋らしさ』を大切にしてほしい。若手が原動力となって新しい日本橋づくりに繋がれば」と話していた。