日本橋大伝馬町の複合アートビル「PUBULICUS」1階の麗人社ギャラリー跡と、同ビルに隣接する「Creative Hub131」(中央区日本橋大伝馬町)で8月21日、「131・パブリカス・NICAクロージング感謝祭 131人による大プレゼン大会」が開催される。
ソーシャルキッチンの先駆けとなったフードイベントの拠点「社員食堂ラボ」
両ビルの閉鎖・解体に伴い企画した同イベント。2011(平成23)年の開館以来、両ビルにかかわりを持ったアーティストや社会事業家など131人が、現在取り組んでいる活動のプレゼンテーションを行う。
イベントは三部構成で、第1部(11時~)は「シェア ローカル エコロジー コモンズ」と題して、「シェア街」主宰の柚木理雄さんや「シェアビレッジ」社長の丑田俊輔さんらによるプレゼンテーションとミニシンポジウム、第2部(15時~)は「アート ローカル 都市 イノベーション」と題して、キュレーターの岡田智博さんや「劇場茶会」主宰のAyAkoさんら33人のアーティストがミニプレゼンテーションを行う。第3部(18時~)は地元ブルースバンド「縄文ズ」による演奏、ベトナム在住の画家・ミヤザキケンスケさんによる「OvertheWall世界壁画プロジェクトの紹介、日本橋大伝馬町郵便局長の星和男さんらによるミニ講演などを行う。
主催者の新野圭二郎さんは、かつて日本橋、浅草橋、神田を結ぶ東東京エリアの文化発信活動「Central East Tokyo(CET)」に深く関わりのあったアーティスト。同活動が下火になった2011年以降、大伝馬町で築50年を超える両ビルをリノベーションしてアート拠点を開設した。
ソーシャルキッチン「社員食堂ラボ」やマルチスペース「日本橋アートインスティテュート(NICA)」、「麗人社ギャラリー」などのアート施設を設置しながら、残りのスペースを格安の家賃で若いアーティストや起業家らに貸し出してきた。街のインキュベーター的な役割を果たしてきた同ビルを巣立ったアーティストや事業家は200人を超え、中には建築や編集、現代アートなどの第一線で活躍するクリエーターも多い。
新野さんは「最初に立ち上げた『Creative Hub131』は、準備期間中に起こった3月11日の東日本大震災を経て、『日本橋大伝馬町13-1』という場所から新たに始動する決意を込めて名付けた」と話す。
「大伝馬町は江戸時代、蔦屋重三郎の耕書堂など版元も多く、文化発信の中心的な地域だった。131とPUBULICUSも開設以来、街の文化発信基地として機能してきており、入居アーティストらが街のイベントや祭りに積極参加するなど地域との関係も良好だった」とも。「一昨年から施設の継続に向けた折衝も粘り強く行ってきたが、大手不動産会社からの干渉もあり話がとん挫し、やむなく断念した。跡地利用にはぜひ地域の文化振興に貢献できる機能も残してほしい」と話す。
開催時間は11時~21時。参加費は1,000円(ドリンク&フード付き)。ZOOM参加無料。