宇宙スタートアップ企業「Ispace」(中央区日本橋浜町3)による月面着陸の再挑戦を応援するライブビューイングが1月15日、三井住友銀行本店(千代田区丸の内1)で開催された。
同社が進める月面探査プログラム「HAKUTO-R」の「Mission2」とは、2023年4月に民間企業として世界初の月面着陸を目指した「Mission1」に次ぐ計画。再挑戦をかける「RESILIENCE」が月面に着陸できれば、民間企業としては米国に次ぐ成功例。アジアでは初の成功例となる。
当日は、従業員や家族、研究員、政府関係者、株主など投資家、「HAKUTO-Rサポーターズクラブ」のメンバーら約300人が集まり、ミッションコントロールセンター(日本橋浜町)や「ispace EU」(ルクセンブルク)のスタッフのほか、「RESILIENCE」を載せてケネディー宇宙センター(米・フロリダ州)内から打ち上げられる米国の宇宙開発会社「Space Exploration Technologies)のロケット「Falcon 9(ファルコンナイン)」の発射台近くで待機するスタッフと中継をつなぎ、同ロケットの打ち上げとロケットからの分離成功の瞬間を見守った。
ゲストとして登壇した宇宙飛行士の山崎直子さんは「民間企業が続々と宇宙や月を目指す時代になった。官民が協力してここまで来たことに心より敬意を表したい」と話し、応援に加わった
打ち上げ時刻の日本時間15時11分直前の10秒前にはカウントダウンを開始。大画面に投影されたロケットを300人が固唾(かたず)をのんで見つめる中、打ち上げは成功した。16時43分には切り離しも成功。2つの成功を受け会場は歓喜に包まれた。
Ispace社長の袴田武史さんは「多くの関係者共に見届けることができて感慨深い。我々は宇宙と月に向けて2度目の旅を開始した。次回のイベントにも参加してもらえれば」と呼びかける。
現在、「RESILIENCE」は所定の軌道で安定した航行状態に移行。10段階の中間目標を経て5月末から6月初めごろの月面着陸を目指す。