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日本橋で恒例「橋洗い」 近隣住民らがデッキブラシでゴシゴシ

年に1度だけの楽しみ。「日本橋」のセンターライン上にある「日本国道路元標」の前で記念撮影

年に1度だけの楽しみ。「日本橋」のセンターライン上にある「日本国道路元標」の前で記念撮影

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 「第53回名橋『日本橋』橋洗い」が7月27日、日本橋で行われた。主催は「名橋日本橋保存会」(中央区日本橋室町1)。

首都高、「日本橋」の銘板もゴシゴシ

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 かつては五街道の起点で、現在は日本国道路の原点となる重要文化財「日本橋」の美化保存のため、地元有志が年に1回一斉に橋を洗う同イベント。1968(昭和43)年から始まり、今では日本橋の夏の風物詩となっている。

 オープニングセレモニーが始まる9時には日本橋北詰と南詰が一時通行止めとなった。橋上には強い日差しが降り注ぎ、首都高がつくる日陰の下に参加者が集まる中、全国から寄せられた名水で橋中央の「日本道路元標」を洗う「名水合わせ」を行った。

 今回の橋洗いには日本橋周辺の20町会と100を超える近隣企業の社員や家族など約1800人が参加。大型散水車による散水の後、参加者は橋の南北から一斉に橋洗いを始めた。消防士がホースで散水すると大人も子どもも、びしょぬれになりながら手にしたデッキブラシで懸命に橋を磨いていた。

 同保存会によると、洗浄水は雨水などをろ過した再生水を利用し、排水汚染防止のため2005(平成17)年から合成洗剤ではなく無添加の「シャボン玉石けん」を使うなど環境にも配慮しているという。

 毎年参加しているという会社員の一人は「7月の最終日曜という日程設定だとどうしても『橋洗い』当日は猛暑日になるが、首都高が作る日陰のおかげで毎年助かっている。頭上を走る高速道路も2035年に地下化し、40年には高架橋の撤去も完了するそうだが、頭上をさえぎるものがなくなった『橋洗い』の暑さ対策はどうなるのだろう」と15年先の「橋洗い」を心配していた。

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