架け替え99年「日本橋」を磨く-炎天下、地元有志1,500人が参加

放水車と子どもたち

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 東京・日本橋で7月25日、「名橋『日本橋』橋洗い」が開催された。主催は、名橋「日本橋」保存会(中央区日本橋室町1、TEL 03-3274-6263)。

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 「日本橋」は石造りになって99年目。当時から不定期に清掃は行われていたが、重要文化財としての美化保存のため、1968(昭和43)年から年に1度の恒例イベントとして「日本橋橋洗い」として始められ、今では夏の風物詩となっている。

 40回目となった今年は、同地区かいわいの20の町内会、保存会に所属する約100の企業など、大人から子どもまで「日本橋」を大切にする地元参加者1,500人以上によって清掃が行われた。清掃前、有用微生物が入った浄化剤「EM泥団子」を川に投げ入れて水の浄化を図ったり、排水汚染防止のため、合成洗剤ではなく無添加のせっけんを使ったりするなど、川の環境にも配慮する。

 当日、橋周辺は車両規制が行われ、保存会の会長や国土交通省、中央警察署長、消防署長らの開会あいさつに続き、橋中央の「日本国道路元標」の真ちゅう板を全国10カ所から集められた名水によって清めた後、4台の散水車からの放水をきっかけに、タワシやデッキブラシによる手作業での清掃が一斉に始められた。

 30度を超す暑い日差しの中、子どもたちは消防車からの放水にはしゃぎ声を上げ、参加者たちはびしょぬれになりながらも一心に橋を磨いた。最後に、代表の小学生がはしご車に乗り、「日本橋」の名前が刻まれたプレートを磨いて仕上げた。

 日本橋を「天下の名橋で、国道路の原点」と考え、この趣旨を広く周知させ、日本橋の活気をよみがえらせるための運動を展開している同保存会。事務局長の永森さんは「参加する地元の方々も毎年増え、日本橋を誇りに思う気持ちの高まりを感じている。日本橋は日本の道路の起点。今年も地方から視察に来ている方がいるが、こうした地元を思う気持ちが、ここから始まって、日本全国に広がっていけばうれしい」と話す。

 来年は日本橋架橋100年を迎える。「この活動が100年と言わず末永く続くように」と、永森さんはきれいに磨かれた日本橋をまぶしそうに眺める。

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