
日本橋の複合施設「十思スクエア」(中央区日本橋小伝馬町5)で10月26日、無料観覧の伝統芸能イベント「芝居小屋『日本橋座』公演」が開催される。主催は江戸文化復興委員会と東京日本橋東ロータリークラブ。
会場となる「十思スクエア」は、明治初期に小伝馬町牢獄跡に開校した旧「十思小学校」の土地・建物を活用した複合施設。隣接する十思公園には江戸時代に時刻を告げていた「時の鐘」が設置され、屋内には浮世絵や黄表紙などを展示する「耕書堂ギャラリー」や銭湯「十思湯」が入居するなど近隣住民の憩いの場となっている。
今回の公演は、同ロータリークラブが中心となって地域の人との交流と江戸文化復興を目的に企画した。和洋楽器を融合させた第1部「邦楽と洋楽の融合」(13時~13時40分)と、歌舞伎演目「連獅子」(14時~14時50分)の2部構成。第1部は、若手女流音楽家ユニット「白衣天人(びゃくえてんにん)」による三味線や笛、太鼓などの和楽器とピアノの合奏を行う。
第2部では、歌舞伎俳優の中村芝翫(しかん)さん、中村橋三郎さんが獅子と獅子舞を巡る伝統演目「連獅子」を披露。長唄を歌舞伎長唄の第一人者として知られる鳥羽屋三右衛門さんが務める。同委員会会長の小川文男さんは「江戸期から伝わる芸能を、開放空間で間近に鑑賞できる」とアピールする。
ステージは同スクエア中庭に設置し、隣接する十思公園では公園閲覧モニター席を用意。園内には地元企業や飲食店による屋台28店も参加し、イベントを盛り上げる。
小川さんは「会員手作りのイベントだが、出演者の皆さんや地元企業の協力を得て、無料の公演が実現できる。あらゆる世代に親しんでもらえる場としたい」と話す。「今後も江戸文化復興に貢献できるコンテンツを継続して提供していきたい」とも。
上演時間は13時~15時。屋台の営業は11時~16時。観覧無料。当日11時から整理券を配布する。