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丸の内JPタワーに総合博物館「インターメディアテク」-東大収集の学術文化財展示

インターメディアテク2階常設展示風景
(c)インターメディアテクMuseography (c) UMUT works 2013

インターメディアテク2階常設展示風景 (c)インターメディアテクMuseography (c) UMUT works 2013

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 JR東京駅丸の内南口のJPタワー(千代田区丸の内2)内2・3階に3月21日、JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」(TEL 03-5777-8600 ハローダイヤル)がオープンした。日本郵便と東京大学総合研究博物館(UMUT)の協働プロジェクトとなる。

開催中の「コスモグラフィア」展-火星探査の写真から宇宙の不思議を切り取る

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 同施設では、東京大学が教育研究の過程で収集した資料を「学術標本」と呼び、一般公開する。理解のしやすさや効率性が重視され、平均化や陳腐化を招くこともあるとされる一般的な博物館の展示方法を採用せず、同施設では「予期せぬものとの出合い」という博物学の前提に立ち返った「来館者自らが考えることができる展示」を目指した。そのため、あえて展示物にキャプションを付けず、鑑賞順路を設けない。

 展示する学術標本は、骨格標本やはく製、植物標本、鉱物、幾何学関数実体模型など約7000点に及ぶ。エントランス付近には、全長約7.7メートルの「マチカネワニ」の骨格標本と直径約3ミリの「クダマキガイ」の一種を配置し、巨大生物と極小生物のコントラストを表現。そのほか、紀元前700年から1200年ごろに生息した巨鳥「エピオルニス」の実物大骨格標本や、史上最も背が高いとされる巨鳥「モア」の卵の殻、最古の人類とされる「ラミダス猿人」の上顎歯のレプリカなど、希少性の高い標本も。

 総施設面積は2966平方メートル。常設展示の「MADE IN UMUT-東京大学コレクション」は、19世紀風の展示様式を採用し、旧帝大時代に使われていた設備を什器に使用。企画展示スペースのひとつは現代的な「ホワイト・キューブ」空間に仕上げた。

 現在、常設展示のほか、3つの特別展示を公開中。1931(昭和6)年の東京中央郵便局旧局舎の建築風景と、2009年から2010年のその再生風景を並べた写真展「インターメディアテク建設」展、火星探査の写真から宇宙の不思議を切り取って見せる「コスモグラフィア」展、1880~90年代にドイツで製作された3次元関数の石こう製実体模型コレクションから着想したモード展「アントロポメトリア」展のほか、パリのケ・ブランリ美術館との中長期に亘る国際協働プロジェクトにより、同館所蔵作品を展示した「ケ・ブランリ・トウキョウ」が開設されている。

 今後、幅広いジャンルの専門家を「特任キュレター」とし、文学、演劇、ダンス、映画、音楽、建築、パフォーマンスなど、さまざまな表現メディアを融合した展示やイベントも企画する。 

 開館時間は11時~18時(5月23日以降、木曜・金曜は20時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。入館無料。

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