国の重要文化財である「日本橋」を毎日掃除する「満月マン」が話題を呼んでいる。
丸く黄色い満月の頭に紫色のボディスーツとマントを身に付けた満月マンは、ゆるキャラならぬ「まじキャラ」。「永遠の25歳」。目を閉じた祈りの表情に、額には「満」、腰のベルトには「月」の文字を刻む。身長2メートル、体重100キロ、堂々としたスタイルで平和を祈るヒーローだ。
「中の人」は昨年1月27日の満月の夜、六本木ヒルズの屋上で月を眺めていたところ、「満月マン」という声が聞こえ、そのインスピレーションから着ぐるみを作り、10月10日に「満月マン」として活動を始めたという。当初は、各地の神社仏閣を巡って世界平和を祈るなどしていたが、今年5月、五街道の起点である「日本橋」で首都高速の高架の撤去を願って祈っていた際、周辺のゴミが目に付いたという。
「もともときれい好き」な満月マンは、その場で掃除を開始。それから毎日、日本橋に通って掃除をするようになった。「毎日掃除すればゴミは減るが、それでもちりやほこりは毎日積もる。掃除は汚い状態をきれいにすることでなく、きれいな状態を保つこと」と満月マン。「毎日掃除をすることで新たな気持ちになることができ心が磨かれる」という。日本橋から発信し、東京オリンピックまでにちり一つない美しい日本と「日本橋」の上の青空を手に入れるのが目標だ。
3カ月以上、猛暑の日も嵐の日も掃除を続けてきた。時間帯は毎日異なるが、1日平均4~5時間掃除をするという。地元の住民やビジネスマンなどにはなじみになり、「お疲れさま」「頑張って」と声を掛けられることが増えた。写真撮影を頼まれることや、車から手を振って声を掛けられることも。ツイッターのつぶやきを見て集まった人が一緒に掃除をしてくれることもあり、満月マンが目指す「掃除を通じた世界平和」が少しずつ広がり始めている。