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日本橋「シャッターチャンスプロジェクト」-店舗のシャッターに浮世絵描く

江戸城内外をいくつも山車が練り歩く山王祭を描いた浮世絵。少ない色数で華やかな祭りを表現している。

江戸城内外をいくつも山車が練り歩く山王祭を描いた浮世絵。少ない色数で華やかな祭りを表現している。

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 江戸橋西交差点すぐの「室町一丁目防災センター」(中央区日本橋室町1)のシャッターに、間もなく浮世絵アートが完成する。

 「日本橋めぐりの会」が主催する、日本橋・京橋エリアの店舗のシャッターに浮世絵を描く「シャッターチャンスプロジェクト」の25作品目。歌川芳藤が1868年に制作した浮世絵「東都日枝大神祭禮練込之図」をシャッター一面に再現する。

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 「和の文化は裏地にこるのが粋。シャッターが下りているとき、つまり店が開いていないときにだけ見られるアートは、見えないおしゃれのようなもの」と同会代表の川崎晴喜さん。「街のさまざまな場所にシャッターアートを増やして、それらを巡るツアーが組めるようなランドマークにしたい」と、2007年から同プロジェクトを続けている。

 企画の発端は、ゴッホにも影響を与えた代表的浮世絵師・歌川広重が人生最後の10年間を過ごした同地域に広重の作品を集めた美術館がないことから、川崎さんが店舗のシャッターをキャンパスとして使い、広重の美術館を作ろうと考えたのがきっかけ。現在では広重の作品に限らず、それが描かれる場所にゆかりのある浮世絵作品を描く。今回は、室町1丁目という立地に合わせ、数多くの山車が江戸城内外を練り歩く山王祭を描き、絵の右端に「室町」の名前が記された芳藤の作品を選んだ。

 同作の模写作家は、東京藝術大学日本画科出身の画家・満尾洋之さんと小林智さん。本格的に日本画を学んできた2人だが、ペンキでシャッターに浮世絵を描くという経験は同プロジェクトが初めて。「浮世絵は少ない色数で華やかさを出すのが特徴。シャッターはもともとの形状に凹凸があり、汚れや傷、錆などがあるため、普通に絵を描くのとはだいぶ感覚が違う。ペンキが乾かないと上に色が塗れないので、乾くのを待つ時間が長い」と話す。

 今年8月1日から制作を開始し、足かけ3カ月、15日間をかけて取り組んできた。9月中旬までは暑く、それ以降は雨の多い時期に重なった。10月6日には模写が完成。後は、浮世絵のタイトルと絵師の名前、作家の署名をして、いよいよ作業終了となる。

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