プレスリリース

【IT業界の多重下請け構造についての調査】IT企業経営層×ITエンジニアの両社に訊いた多重下請け構造脱却に必要なこと

リリース発行企業:株式会社キッカケクリエイション

情報提供:

 株式会社キッカケクリエイション(所在地:東京都渋谷区渋谷1丁目3-9 ヒューリック渋谷一丁目ビル6F、代表・川島我生斗)は、IT系企業の経営者・役員224人、ITエンジニアから同職種への転職経験のあるITエンジニア256人を対象に、ITエンジニア業界の現状について調査いたしました。






サマリー
1.システム開発で短納期や低予算の下請け案件が多いと感じているIT企業経営層は約7割
多重下請け構造の脱却に必要なこと第1位は「スキルの高い人材の確保」
 一方、確保が行えていると感じている経営層は4割弱

2.「スキルの高い人材の確保」に関して、課題1位は「スキルの高い人材が少ない」
  求めるスキル1位は「基本設計力」

3.ITエンジニアが転職活動をした理由1位は「給料UPのため」
また、転職活動時に「自身の求める給料に対し、スキルが足りない」と感じている人が約3割
さらに実務経験を積んでいれば、求める条件に沿った企業に転職できると思う人が約8割も
好待遇での転職には市場価値を高める学習や中長期目線の会社選びが重要に

調査概要
・調査主体 :株式会社キッカケクリエイション
・調査期間 :2024年7月26日~2024年7月28日
・調査対象者:1.IT系企業の経営者・役員
       2.ITエンジニアから同職種への転職経験のあるITエンジニア
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数:1.224人、2.256人
※本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【キッカケクリエイション調べ】とご明記ください。




 現在日本ではDXが加速し、多くのITエンジニア人材が求められています。一方、IT企業の中には、多重下請け構造により、短納期・低予算の案件を受けている企業が増えており、海外と比較して低賃金で働くITエンジニアが増えています。今回は、その実態を把握するため、IT企業経営層、ITエンジニア双方に調査を行いました。

Q1.システム開発において、短納期や低予算の下請け案件が多いと感じますか(SA)。
 IT企業経営層に、システム開発において短納期や低予算の下請け案件が多いと感じるか訊いたところ、「そう思う」29.0%、「ややそう思う」36.6%と合わせて、約7割が短納期や低予算の下請け案件が多いと回答しました。

 DXが加速し、案件が増える一方、四次受け、五次受けなど多重下請け構造となり、労働量に見合わない納期、金額で働かざるをえない企業が増えていると推察されます。



Q2.多重下請け構造脱却に何が必要だと思いますか(MA)。
Q3.多重下請け構造脱却のために何を行っていますか(MA)。
 Q1で短納期、低予算の下請け案件が多いと感じているIT企業経営層が多いと分かりましたが、多重下請け構造を脱却するためには何が必要なのでしょうか。

 今回の調査では、必要と思うこととして、「スキルの高い人材の確保」と59.8%が回答し、1位に。次いで、 「営業力の強化」(47.3%) 、「社内のITエンジニアへの教育」(39.7%)となりました。

また、多重下請け構造脱却のために行っていることとしても「スキルの高い人材の確保」(36.2%)が1位となり、次いで「社内のITエンジニアへの教育」(34.8%)「営業力の強化」(29.9%)となりました。しかし、いずれも4割弱~3割以下しか行えていないという結果となり、必要と分かっている一方、手がつけられていない状況が明らかとなりました。






Q4.Q2で「スキルの高い人材の確保」を行っていると回答した人にお伺いします。
   「スキルの高い人材の確保」を行う上での課題は何ですか(MA)。
Q5.どのようなスキルがある方を求めていますか(MA)。
 多重下請け構造脱却のためには、スキルの高い人材の確保を行うことが必要だと感じているIT企業の経営層が多い一方、行えている人は少ないと分かりました。行っている方に、課題を訊いたところ、「スキルの高い人材が少ない」が49.4%と1位になりました。多重下請け構造脱却のため、スキルの高い人材がほしいと思っていても採用市場になかなかいないという状況が明らかになりました。

 また、どのようなスキルを求めているか訊いたところ、1位が「基本設計力」(63.0%)となり、次いで「要件定義力」(58.0%)、「実装力」(42.0%)となりました。現場で経験を積んだり、仕事外でも自分で学んだりし、上記のような力をつけている人が求められています。



Q6.Q3で「社内のITエンジニアへの教育」と回答した方に伺います。
   どのような教育を行っていますか。
Q7.Q3で「社内のITエンジニアへの教育」と回答して“いない”方に伺います。
   行っていない理由は何ですか。
 「スキルの高い人材の確保」が難しい一方、「社内のITエンジニアへの教育」も行えていない現状があります。教育を行えている経営層にどのような教育を行っているか訊いたところ、「先輩社員による講義の実施」が48.7%と1位となり、次いで「外部スクール参加への受講料のサポート」(41.0%)、「資格試験受験の受験料サポート」(39.7%)となりました。
 また、「社内のITエンジニアへの教育」を行っていない方に理由を訊いたところ、「教育で賄いきれないと感じている」が34.3%と1位となり、より一層、「スキルの高い人材の確保」の必要性が推察されます。






Q8. ITエンジニアからITエンジニアに転職した/転職する際の転職の理由は何ですか(MA)。
Q9. 転職時、何を基準に会社選びを行いますか。(MA)。
 現在、IT企業で勤務されており、ITエンジニアからITエンジニアに転職したことがある、転職を検討している方に、転職した/する理由を訊いたところ、「給料UPのため」が62.9%と、他に差をつけ1位となりました。
 また、会社選びの基準に関しても「給料」が63.3%と圧倒的な1位となりました。




Q10. 転職活動中にどのような課題を感じましたか(MA)。
 転職に給料を求めている人が多いと分かりましたが、転職時にどのような課題を感じているか訊いたところ、「良い条件の会社が見つからない」が44.1%と1位になりました。また、「自身の求める給料に対し、スキルが足りない」も31.3%となり、給料に対するスキル不足が課題となっていることが分かります。1位の「良い条件の会社が見つからない」に関しても、自身のスキルを上げれば、自然と企業の候補が増えるため、求める条件で転職するためにはスキルをつけることが大切だと推察されます。



Q11. 現職・前職でより一層実務経験を積んでいれば、より求める条件に沿った企業に転職できると思いますか(SA)。
Q12.現職の教育制度に満足していますか(SA)。
 転職時に給料を重視している人が多い一方、自身の求める給料に対しスキルが足りない人が多いと分かりました。現職・前職でより一層実務経験を積んでいれば、より求める条件に沿った企業に転職できると思うか訊いたところ、「そう思う」(29.7%)、「ややそう思う」(47.3%)合わせて、約8割が現職・前職でより一層実務経験を積んでいれば、より求める条件に沿った企業に転職できると思うと回答しました。

 一方、現職の教育制度については、「満足している」(14.5%)、「やや満足している」(35.2%)合わせて、満足できている人は半数以下となっており、経営層への調査からも分かるように、十分な教育はできていない企業が多いです。



 今回の調査では、IT企業において、多重下請け構造が進んでおり、スキルの高い人材の確保が必要になっていることが明らかになりました。しかし、市場にスキルの高い人材が少なかったり、社内の教育では賄いきれないことなどが課題となっています。
 一方、ITエンジニアは転職時に給料を重視している一方、求める条件に対しスキルが足りない人が多いと分かりました。また、社内の教育は十分でないことが多い上、自身でのスキルアップもなかなか難しい現状が明らかになりました。
 好待遇での転職には市場価値を高める学習や中長期目線の会社選びが重要であり、またそういった視点を持ったITエンジニアを採用することで、IT企業は多重下請け構造からの脱却を目指すことができると思われます。

株式会社キッカケクリエイション 代表・川島我生斗 コメント
 日本は労働人口の減少に伴いDX化が急務な状態です。一方でIT企業の商習慣として多重下請け構造という課題があります。多重下請け構造とは発注主から一次請けを行うシステム開発会社に発注があり、二次請け、三次請けなど商流が深くなる形態です。案件規模にもよりますが、過剰な多重下請け構造により、エンジニアに対して様々な負荷がかかっていることがわかっています。このような商習慣であるため、会社選びを間違えた場合、構造的にハイスキルエンジニアになるための経験を取得できない可能性が高まります。
 弊社では年間多くの方々にキャリア支援サービスをご利用頂いております。ハイスキルエンジニアの方々のキャリアパスを分析したところ、上流工程に携われる経験やリーダー、マネジメント経験が重要だとわかっております。そのため、転職についての情報収集はもちろんの事、現在の職場で信頼を勝ち取り、ワンステップ上の業務を任せていただく事や自己学習についても大切だと思っています。







株式会社キッカケクリエイション 概要
IT人材のライフスタイル支援を通じて日本のデジタルシフトを加速することを企業理念として掲げ、独自のマーケティング戦略とデータテクノロジーを強みとしたITキャリア支援事業およびIT転職映像メディア事業を展開。令和3年度、東京都助成事業。

所在地 :東京都渋谷区渋谷1丁目3-9ヒューリック渋谷1丁目ビル6F
代表取締役社長 :川島 我生斗
事業内容      :キャリア支援事業・メディア運営事業
資本金       :3,000万円(資本準備金含む)
コーポレートページ :https://kikkakecreation.com/

◆ITエンジニア転職に関するお問い合わせ先
【公式LINE】https://link.kikkakeagent.com/3RzZxpA(個別対応のキャリア相談公式LINE)
【Mail】koki-tabata@kikkakecr.com
【X(Twitter)】https://twitter.com/it_bosatsu_moro

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株式会社キッカケクリエイション
メールアドレス :koki-tabata@kikkakecr.com
ホームページ :https://kikkakecreation.com

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