京橋の明治屋京橋ストアー（中央区京橋2）が9月16日、営業を再開した。

ゆったりと買い物ができるように通路を拡幅し、棚高を下げて見渡しをよくした店内

　同店が入る中央区の有形文化財「明治屋京橋ビル」の新装に伴う「京橋二丁目西地区再開発事業」の一環。同ビルの免震工事の改修のためいったん閉店していたが、2年ぶりの開店となった。

　改修に当たっては、外壁および室内の一部は建造当時のまま保存。120.1坪の店内は壁面を塗り直し、床材ももとの素材を生かして、昔ながらの店の雰囲気を維持した。ゆったりと買い物ができるように通路幅も拡張し、棚高も152センチメートルに抑え店内の見渡しをよくした。その結果、棚板の総数は減ったが、取り扱いアイテム数は2年前の約4000点から4500点に増加したという。

　取扱商品は同店直輸入の酒類・食品、ＭＹブランドのマイジャム類、パン、ハム・ソーセージ類、スパイス類、ナチュラルチーズなど多岐にわたるが、特に国産ワインに力を入れ、産地から直接買い付けた1.8リットル入りワインをリーズナブルな価格で販売するなど独自の品ぞろえが目を引く。

　昭和8年2月の同ビル完成とほぼ同時期に開店し、昭和20年3月の東京大空襲を生き抜き、戦後は一時OSS（在日連合国民間人向けストアー）として営業を続けてきた同店。OSS業務終了後も特徴のある品ぞろえから多くの固定客に支えられてきた。

　朝10時の開店前には多くの明治屋ファンが店先に行列を作った。三島市から新幹線で駆け付けたという夫婦は「京橋に勤めていた頃から、50年以上通っている。ほかでは扱っていない酒も置いており、缶詰やおつまみの品ぞろえも豊富なので再開を待ちかねていた」と笑顔を見せていた。

　営業時間は10時～21時。