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日本橋「たいめいけん」がユーチューブチャンネル開設 週2で番組配信

「たいめいけん」3代目の茂出木浩司さん

「たいめいけん」3代目の茂出木浩司さん

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 日本橋の老舗洋食店「たいめいけん」3代目で料理人の茂出木浩司さんが自身のユーチューブチャンネル「ガングロクッキング」を開設して1カ月がたった。

休憩時間と閉店後を活用し、週2で番組配信

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 茂出木さんは現在、バラエティー仕立ての動画番組を通じ、日焼けサロンに通う姿や芸能人との共演シーンなどを織り交ぜながら、料理人としてのキャリアと感性で新たな可能性に挑戦している。

 「料理人もオムライスだけで100本は動画がある時代。固定ファンに見てもらえる仕掛けが必要」と話す茂出木さん。「今回の動画企画には、料理界のユーチューブ進出が活発になる中、自身も新たな表現の場を持つべきだとの思いを込めている」とも。

 茂出木さんは「テレビにも出演させていただいているが、今は『テレビ見てたよ』より『ユーチューブ見てるよ』との声が多くなってきた。だからやるしかないと思った」と話す。あえて第一弾から本格レシピを封印し、芸人や知人とコラボしたバラエティー色の強い番組構成でスタートしたという。「真面目な料理は他の人もやっている。だから自分は遊び心を入れた」と茂出木さん。

 1931(昭和6)年の創業の同店は、創業者の茂出木心護さんが中央区新川に「泰明軒」として開業後、1948(昭和23)年に日本橋に移転して「たいめいけん」と店名を改めた。人気の「小皿料理」は少しずつ多くの料理を楽しみたいという顧客の要望に応えて考案した。今も100円で提供している「ボルシチ」や「コールスロー」は先代からのレシピを守り続けているという。

 かつて心護さんが始め、2代目店主の雅章さんが引き継いだという電話料理相談「お料理110番」は、和洋中すべての料理に電話で応えるクッキング相談の草分け的な試みだった。浩司さんは「ネットもない時代に主婦や料理愛好家からの質問にて丁寧に答え、プロからの問い合わせにも対応していたが、ネット検索一つで答えが出る現在、その役割を終えたと感じている」と話す。茂出木さんは「お料理110番の後継的存在として、『ガングロクッキング』では料理のアーカイブ化も目指したい」と意欲を見せる。

 「開業以来、レシピ本を30冊以上出してきた。料理のストックは十分にあるが、動画ではエンタメと料理のバランスが難しい」と悩みも明かす。「10本中9本は料理動画にして、1本はバラエティーのつもり。視聴者との接点づくりを模索している」と茂出木さん。

 「撮影は主に店舗の休憩時間に行っており、営業後や昼休みに撮るのが大変。でも、動画は後からでも見返せる。テレビと違って流れて終わりじゃないのが魅力」とも。

 今後の店舗展開について、茂出木さんは「昨年、大阪のKITTEに初出店した。日本橋は夜の人通りが少ない。もっと集客できる場所を模索中。現在は銀座方面での新展開も視野に入れている。料理はもちろん、コラボやイベントにも力を入れていきたい」と意気込む。

 「とは言え、料理人としての本丸は、やはり料理。次回はちゃんとオムライスやります」と笑顔を見せる。

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