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日本橋の「たいめいけん」再開発で一時休業 仮店舗は来年3月オープン

昭和レトロな雰囲気が顧客に人気の、築47年の「たいめいけん」ビル

昭和レトロな雰囲気が顧客に人気の、築47年の「たいめいけん」ビル

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 日本橋の老舗洋食店「たいめいけん」(中央区日本橋1、TEL 03-3271-2465)が「日本橋1丁目再開発計画」に伴い10月19日、一時休業する。

創業の味を受け継ぎ守り続けてきた「たいめいけん」

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 1931(昭和6)年創業の同店。創業者の茂出木心護さんが修業の後に中央区新川に「泰明軒」として開業し、1948(昭和26)年に日本橋に移転して「たいめいけん」と店名を改めた。現在のレンガ柄の6階建てのビルは1973(昭和48)年に建てられたもので、6階には「日本凧の会」創立者としても知られる心護さんと2代目の雅章さんが収集した3千点に及ぶ世界のたこを展示する「凧の博物館」を併設している。

 開業以来、創業の味を受け継いできた同店。人気の「小皿料理」は、少しずつ多くの料理を楽しみたいという顧客の要望に応えて開発されたもの。今も50円で提供している「ボルシチ」や「コールスロー」も先代からのレシピを守り続けているという。伊丹十三監督の映画「たんぽぽ」に登場したオムライスは「たんぽぽオムライス」として同店の名物料理になっている。

 レストラン運営の傍ら家庭料理の普及にも貢献してきた同店。心護さんが1960(昭和35)年に始めた、電話で料理相談ができる「お料理110番」は、料理作りに悩む主婦の駆け込み寺として現在も続いている。同社のホームページでは「オムライス」や「グラタン」、「ボルシチ」など、看板料理のレシピも公開している。

 「47年間慣れ親しんだビルとお別れするのは寂しいが、来年3月には仮店舗が開業。2025年には本店舗がオープンする」と2代目オーナーの茂出木雅章さん。「このビルともあと1週間。私共と同様にこの店に思い出を持つお客さまも多いはず。密にならない程度に食べに来てほしい」と話していた。

 仮店舗は室町の和風レストラン「豊年満福」(日本橋室町1)跡に2021年3月のオープン予定で、事務所と凧の博物館は同じく室町の室町NSビル(日本橋室町1)に11月1日にオープン。

 現行店舗の営業時間は1階フロアで11時~21時(日曜・祝日は20時30分まで)、2階フロアが昼の部11時~15時、夜の部17時~21時(日曜・祝日は休業)。

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