都営浅草線・馬喰横山駅近くの問屋街に7月26日、ギャラリーを併設した日本茶カフェ「回季」(中央区日本橋横山町4、TEL 03-6861-9500)がオープンした。経営はGENTEN(千代田区)。
電気通信関連会社を経営する同社社長の飯田佳昭さんは以前から日本文化への関心が高く、「スタイリッシュなカフェを通じて若い人たちにもっと日本の伝統文化を身近に感じてもらいたい」と開業した。全くの異業種からの挑戦となる。
店舗には、「現代建築では珍しい形の窓や天井の高さに引かれた」という1930(昭和5)年築の建物の3階を選び、スタッフ全員で壁の塗装をするなど一つひとつ手作りで改装した。「問屋街の事務所か倉庫かと思うような古いビルの階段を上り、黒く重い扉を開くと、広く居心地の良い隠れ家的カフェがあるという意外性を大切にしたい」と店長の大森慶子さん。席数はカウンター席とテーブル席を合わせて24席。
同店で提供するのは、無農薬・無化学肥料で手間をかけて育てられた日本茶。漫画「美味しんぼ」にも登場した静岡県藤枝市の茶園「向島園」園主の向島和詞さんがプロデュースし、全国から煎茶や玉露、抹茶、ほうじ茶、ハーブティーを取り寄せる。お茶に合わせて選べる和菓子は自家製あんを用い、店内で豆を煮るところから作られたもの。日本古来の季節暦である「二十四節気」をお茶と和菓子、そして空間全体で表現したいと、和菓子は2週間に1回、お茶は四季に合わせて年4回の切り替えを予定する。
メニューは、「浅蒸煎茶(高知仁淀川)めいすい」「中蒸煎茶(鹿児島霧島)大地」「深蒸煎茶(静岡掛川)生」(以上750円)、「有機深蒸煎茶(静岡藤枝)和み」「玉露(静岡朝比奈)息吹」「抹茶(京都宇治)常磐」(以上850円)などのほか、「冷やし白玉しるこ」(小豆、白)」、「冷やし白玉ぜんざい」(以上650円)などの和菓子や甘味類。ランチタイムには、日替わりメニューの「ランチプレート」(950円)を提供する。
店内で使われるものはすべて「作り手の顔が見えるもの」にこだわる。急須と茶器は若手益子焼作家・二階堂明弘さんの作品を使用。「日本茶の味と香りを一番良い状態で楽しんでもらいたい」とお茶の種類に合わせて道具を変える。併設するギャラリーには、飯田さんがセレクトした作家の作品を展示し、店内で使われる器などとともに販売も行う。
今後、カフェの定休日である日曜日に日本茶のおいしいいれ方、和菓子の作り方など、日本文化に関するワークショップの開催を予定する。
営業時間は10時~19時(ランチは11時30分~14時30分)。日曜・祝日定休。