三井記念美術館(中央区日本橋室町2、TEL 03-5777-8666)で6月30日、用語解説付き古美術作品展「三井版 日本美術デザイン大辞展」が始まった。
同展は、古美術の入門編として同館が定期的に開催する「美術の遊びとこころ」シリーズ5本目の企画。今回は「飛び出す絵本」ならぬ「飛び出す美術辞典」がテーマ。同館の所蔵品を中心に、絵画、書跡、陶磁器、漆工品、染織品(せんしょくひん)など美術のジャンルを超えて、さまざまな文様や技法、材料などの専門用語を50音順に解説し、それに合わせて作品を展示する。江戸初期の絵師・狩野探幽が70歳の時に描いた「雲龍図(うんりゅうず)」も特別展示。
解説文には、「葦手絵(あしでえ)」「雲母摺(きらずり)」「「誰袖(たがそで)」などの専門用語が並ぶ。「古美術になじみのない方には読み方も分からない単語が多く、文章で解説されてもイメージが浮かばないものばかりだと思う」と同館学芸員の小林祐子さん。「実際の美術品と解説文を合わせて見てもらうことで、初めて古美術に触れる人にも分かりやすさを追求した」とも。「絵画の主題や工芸品の文様の意味がわかると、美術鑑賞がもっと面白くなる。今回の展示をきっかけに美術館にぜひ足を運んでもらいたい」と来館を呼び掛ける。
開館時間は10時~17時。月曜と7月17日は休館(7月16日、8月13日は開館)。入館料は、一般=1,000円、大学生・高校生=500円、中学生以下無料。8月26日まで。