日本橋の古美術商「浦上蒼穹堂(うらがみそうきゅうどう)」(中央区日本橋3)は10月14日、iPhoneアプリ「漫画翁北斎(おうほくさい)」をリリースした。
「北斎漫画」は、葛飾北斎が弟子への指南書として描いたスケッチ画集。人の動きや風景、動物、妖怪など、多岐にわたるモチーフを描いた約4000図、全15編から成り、北斎画のデータベースとしての役割も果たす。代表作「冨獄三十六景」をはじめ、北斎の作品には、同手本にある構図や図柄を原型としたものも多い。
同アプリでは、北斎漫画をデジタル再現。店主の浦上満さんが40年以上掛けて集めた、1400冊を超える北斎漫画のコレクションから選んだ初版本の作品を解説付きで収録する。
アプリのダウンロードは無料。10枚の漫画が初期収録され、これに有料の画集(各450円)を追加していくしくみ。現在は、江戸の人々の好奇心の対象だった「幽霊・妖怪・奇獣」と庶民の生活を描いた「江戸の暮らし」を用意する。今後、ダウンロードできる画集を増やしていく。
「何十年も掛けて描かれた北斎漫画には、北斎の魅力が詰まっている。これを世界中の人に伝えたい」と浦上さん。「若い世代の人にも北斎に興味を持つきっかけになれば」とも。
日本語と英語に対応。各国語への対応やiPad用の制作も検討している。